2008 Fiscal Year Annual Research Report
血清コリンとコリン標識画像診断を用いた非アルコール性脂肪肝炎の新規診断法開発
Project/Area Number |
20890185
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 浩司 Yokohama City University, 附属病院, 助教 (30468160)
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Keywords | 内科 / 脂質 / トランスレーショナルリサーチ / 放射線 / 臨床 |
Research Abstract |
(1)血清コリン測定による簡便な非アルコール性脂肪肝炎の血清診断法の開発 種々の病態における血清コリン値測定を行いNASH病態でのみ特異的に発現亢進している事が示された。LC-mass法の問題点として、測定に費用・技術・時間を必要とする為、診断マーカーへの応用は非現実的であった為、次に血清コリン値測定に関し簡易測定法の開発に努めた。株式会社スカイライト・バイオテック、東洋紡の技術協力のもと行い、現行のLC-mass法と感度99.5%以上の相関性を有するHPLC法での測定系を確立した。費用・技術・時間といった問題をを大幅に改善した事で、健診や人間ドック等の大規模網羅測定も理論上可能となった。 (2)^<11>C-コリンPET-CTを用いた非アルコール性脂肪肝炎の超早期確定診断法の開発 肝生検により確定診断の得られた各種病態(健常人8例/単純性脂肪肝患者14例/NASH患者16例)における^<11>C-コリンPET-CTを用いたリン脂質代謝能を測定するパイロットスタディーを行い、各種病態毎の肝臓コリン代謝動態を図る事に成功した。“11C-choline PETを用いた非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の画像診断についての研究"という名称のもと、一般型先進医療をすすめている(承認番号【一般型20-110】)。 (3)非アルコール性脂肪肝炎におけるコリン過剰症のメカニズム解明 血液サンプルをHPLCリポタンパク測定システムを用いて脂質分画を測定し、コリン過剰症と脂質代謝の関係について分析を行い診断法の有用性を立証すると同時に、肝生検サンプルを用いて肝臓内の種々の脂質代謝因子に関するmRNA/蛋白発現を測定しメカニズム解析に努めた。単純性脂肪肝からNASHへの病態進展に伴いアポ蛋白BとミクロソームTG輸送蛋白の発現量が低下する事で肝臓からの中性脂肪分泌能が低下し、肝臓でのリン脂質代謝能が低下する事で、リン脂質の構成成分であるコリンの肝における利用障害が起こり、余剰コリンが血中に蓄積する事で血中コリン値が高値になっている事が証明された。
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