2009 Fiscal Year Annual Research Report
PETとAMSを利用したがんの早期治療効果判定法の確立
Project/Area Number |
20890186
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
南本 亮吾 Yokohama City University, 附属病院, 助教 (40511655)
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Keywords | 癌 / 放射線 / 薬物反応 |
Research Abstract |
本研究は、がん患者の個別化医療の実現を目的とする新たな医良技術開発として、PET (positron emission tomography)と加速器質量分析器(AMS: accelerated mass spectrometry)を組み合わせたがんの早期治療効果判定方法の確立を目指し、その基礎的な検証を行うものである。 方法としては、腫瘍(細胞株:SQ5,細胞数:1x10^6)を移植したヌードマウス(8週齢、動物種:BALB/c) 6匹と腫瘍を移植しないヌードマウス二匹に、4時間の絶食後、14C-FDG(148Bq)を投与する。抗腫瘍薬5-FU 0.1mgをマウス3匹の腫瘍に局注、コントロールとして腫瘍を移植したマウス(3匹)に0.1ccの生理食塩水を局注、ヌードマウス(二匹)には非投与とした。投与後4時間、10時間、24時間にマウスの尾静脈から採血を行う。得られたサンプルの一部は保存し、残りは凍結後に試料測定のためにIAA社に送付した。保存した血液サンプルは、腫瘍細胞の破壊とともに血中に増加するfree DNAの測定に利用した。Free DNAは5FU投与後10時間でピークを迎え、優位に他群よりも高かった。一方、AMSによる14C-FDGの測定では、5FU投与群で血中濃度が上昇したが、他群ではfree DNAの増減と比較してばらつきが認められた。この結果から推測すると、14C-FDGは抗腫瘍薬がもたらす腫瘍崩壊の効果によって腫瘍内から血中に流出したと思われるが、FDG自体が脳実質や心臓などに生理的に集積するため、それらの臓器からのFDGの放出が血液内濃度に影響を与えている可能性がある。しかし、今後腫瘍特異性の高い製剤を使用することによって、この検討されたPETとAMSを用いたがんの早期治療判定法は可能となりうる。
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