2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童・思春期精神科看護における看護ケア内容および看護技術の明確化に関する研究
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20890190
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
船越 明子 Mie Prefectural College of Nursing, 看護学部, 講師 (20516041)
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Keywords | 児童・思春期 / 精神看護 / Grounded Theory Approach |
Research Abstract |
児童・思春期精神科病棟での入院治療においては、看護師は子どもの生活全般に関わり、きわめて重要で中心的な役割を担っている。子どもへのケアのみならず、他職種との連携や親への対応などその看護領域は多岐にわたり、特殊かつ専門性が非常に高い。しかし、子どものこころの治療を行う児童・思春期精神科病棟での看護実践に対する研究は数少なく、どのような看護が提供されているのかは不明確である。 そこで、児童・思春期精神科病棟へ入院中の子どもに対して、看護師が行う看護ケアの内容および看護技術を明らかにし、具体的かつ系統的に記述することを目的に、児童・思春期精神科病棟に3年以上勤務する熟練看護師を対象とした個人面接による半構造化インタビューを行った。分析には、Grounded Theory Approachにおける継続的比較分析法を用いた。 児童・思春期精神科病棟をもつ4つの病院に勤務する熟練看護師18名(男性3名、女性15名;平均年齢34.8歳(範囲:28-48,SD=5.9)にインタビューを行った。児童・思春期精神科病棟へ入院中の子どもに対して、看護師が行う看護ケアとして、《問題行動に対処する》《言動の奥にある本質的な問題を把握する》《言動の奥にある本質的な問題に踏み込む》《アタッチメント対象となる》《看護師としての適切な心的距離を保つ》の5つのカテゴリーが抽出された。これらのカテゴリーはお互いに関連しあいながら、コアカテゴリーである『問題行動の奥にある子どものこころの闇を溶かす』という看護ケアにつながっていた。
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