2009 Fiscal Year Annual Research Report
TRAILとmicroRNAを標的とした癌の「分子標的併用予防法」の開発
Project/Area Number |
20890191
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
堀中 真野 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (80512037)
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Keywords | 癌 / microRNA / TRAIL / DR5 / アボトーシス / 予防 / p53 / 食品成分 |
Research Abstract |
癌予防効果を持つ代表的サイトカインであるTRAILは、癌細胞に特異的にアポトーシスを誘導する。しかしながら、多くの癌細胞はTRAIL耐性を獲得しており、その克服は重要な課題である。さらに近年、microRNAという分子群が、癌においても重要な役割を果たしていることが報告されている。申請者は、その中でも特に、TRAIL耐性に関与していることが明らかとなったmicroRNAとしてmiR-221/222に注目し、食品成分を用いたmicroRNAの発現調節による新規癌予防戦略への応用を試みることにした。本研究は、TRAIL耐性の克服を目指し、(1) microRNAの発現調節を介したTRAIL感受性増強メカニズムの解析、(2) microRNAの発現調節を介したTRAIL感受性増強成分の探索を目的とする。 現在までの研究の結果、(1) に関しては、TRAIL耐性の癌細胞では、miR-221/222の発現レベルが高いということが確認され、その機構の一つとしてアポトーシス促進因子であるPUMAがmiR-221/222の標的遺伝子であることを示唆するデータが得られた.(2) に関しては、TRAIL感受性を増強させるためには、miR-221/222の発現量を下方制御することが重要であると考えた。そこで、miR-221/222のプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込み、活性化レベルを評価するためのプラスミドを構築した。miR-221/222のプロモーターを下方制御する食品成分を探索することを目的とし、今後も実験を続けていく。また、今年度は、アポトーシス抑制因子であるXIAPの分解促進によるTRAIL感受性を増強する成分としてchetominを報告した。このchetominによって発現制御されるmicroRNAについても解析していく予定である。さらに、TRAILの発現量を増強する成分として、乳酸菌(Lactobacillus plantarum)を報告した。今後、TRAILに替わり、rRAIL感受性増強成分と併用することで、より安全性も高い癌予防法が提案できると考えられる。
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Research Products
(6 results)