2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成蛋白と新しい薬物伝達系を用いた脊椎棘突起間固定術
Project/Area Number |
20890196
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
豊田 宏光 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 病院講師 (50514238)
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Keywords | 骨形成蛋白 / 合成ポリマー / リン酸カルシウム / 脊椎 / 薬物伝導系 |
Research Abstract |
当該年度の研究目標は,固定材料である骨形成蛋白,合成ポリマー,ベータ-リン酸3カルシウムを使用した棘突起間内小切開投与による脊椎固定術モデルの作成とその組織学的検証,棘突起間内局所注入法による脊椎固定術モデルの確立である.合成ポリマーの特徴は,その分子量により形態に変化がつけられ,液状のものから固形状まで作成が可能である.ベータ-リン酸3カルシウムは粉末状,顆粒状,ブロック状と,種々の形状に加工できる.このため,これらの組み合わせで用途に応じて様々な形態の担体が作成可能となる.まずは脊椎固定において最も適した性状の担体を作成し,これに骨形成蛋白を配合し動物実験を行った,現在の進捗状況は,骨形成蛋白,合成ポリマー,ベータ-リン酸3カルシウムの至適配合比解析が終了し,棘突起間内小切開投与による脊椎固定術モデルが確立された,さらには,本モデルの組織学的検証ならびに強度試験が終了し良好な結果が得られている.これらのデータは,次世代の局所注入法による脊椎棘突起間固定術モデル確立の基礎となる.今後は、効率的な局所注入方法の確立,局所注入可能な固定材料への配合比解析を行い,従来法(後側方固定術)モデルや自家骨移植モデルとの比較試験を行う予定である.本研究の成果は,強力な骨形成因子である骨形成蛋白の脊椎脊髄疾患に対する低侵襲外科的治療への応用におおいに役立つものと考える.高齢化社会を迎えるにあたり脊椎疾患に対する外科的治療の機会は今後増えていくことが予想され,より低侵襲で確実な治療法の確立が課題となっている,本研究の成果は、骨形成蛋白の効率的な使用方法を確立させ,脊椎外科領域における骨形成蛋白の臨床応用が飛躍的に高まる可能性がある.
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