2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患をもつ思春期の子どもと親の地域生活を支える看護介入の開発
Project/Area Number |
20890202
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
高谷 恭子 Kochi Women's University, 看護学部, 助教 (40508587)
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Keywords | 慢性疾患 / 思春期 / 親子 / 病みの軌跡 / 看護介入 |
Research Abstract |
本研究は、慢性疾患をもつ思春期の子どもと親が相互作用を通して、病いとともに生きる地域生活を主体的に営むことができるような看護介入の開発を目的としている。そこで、慢性疾患をもつ思春期の子どもと親の病みの軌跡に関する文献や手記を概観したり、学術集会に参加して情報収集を行った。また、小児看護や家族看護の専門家、エキスパートNsとの情報交換を行い、地域生活を主体的に営むための看護介入案を具体的に立案する知恵を得た。また、研究者の博士論文として取り組んでいた結果として、慢性疾患をもつ思春期の子どもと親は、思春期の時期に《深刻な岐路》に立たされ、《捻れ》に移行し苦悩していくが、《苦悩との対峙》によって《捻れ》を乗り越え、《親子生活の呼応》に移行し、主体的に将来を創造していく《将来を生きる紡ぎ合い》を豊かにしていくことが明らかになった。この研究結果を踏まえ、慢性疾患をもつ思春期の子どもと親に対して、どのタイミングで看護介入案を作成すべきかに関する検討を重ねた。その結果、思春期発症の親子ならば発症時初期の支援、また、病気をもちながら思春期に突入する親子であるならば、思春期に至る時期の支援のあり様によって、彼らの地域生活はより主体的な歩みとなるのではないかと考えた。したがって。思春期の子どもと親が《深刻な岐路》に立たされるところ、かつ、《捻れ》へと移行していくところに関する支援プログラムとして、(1)捻れを予防するために、(2)捻れを迎える準備性を高めるために、の2つの看護介入案(1)を作成した。この介入案(1)は、看護師が実践の中で親子に遭遇した時に、介入の必要性や方法論を展開しやすいように解説を交えたパンフレットとして作成している。この介入案(1)の妥当性や実践可能性を、小児看護の専門家や家族看護の専門家、小児看護領域の大学院生に意見を得て洗練化している。
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