2009 Fiscal Year Annual Research Report
象牙芽細胞の形態変化、移動に関わるRhoシグナリングの機能解析
Project/Area Number |
20890208
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大津 圭史 Iwate Medical University, 歯学部, ポストドクター (60509066)
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Keywords | 発生・分化 / 歯学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 象牙芽細胞 / 歯胚発生 / Rhoシグナリング / real time imaging |
Research Abstract |
歯の発生課程において象牙芽細胞では、細胞核の移動、細胞形態の変化、歯髄側への細胞移動などの現象が見られるが、これらを制御する細胞内分子調節機構に関しては不明な点が多い。そこで我々はRhoファミリータンパク質がこれら一連の変化(核の移動、形態変化、移動)を調節することで、象牙質形成を制御していると仮説を立てた。今回この仮説を実証し、象牙芽細胞の分化、象牙質形成に関わる新たな細胞内調節機構を解明するために本研究計画を申請した。 今年度得られた研究成果 1. マウス切歯におけるROCKの発現解析 マウス切歯におけるROCKの免疫染色から、象牙芽細胞にはROCK IIが発現していることが分かった。またその発現は象牙芽細胞の分化が進むにつれ強くなることが明らかになった。一方、ROCK Iの発現はマウス切歯象牙芽細胞で検出されなかった。 2. 器官培養(Trowe11法)を用いたRhoシグナリングの機能的検索 ROCK inhibitor処理されたマウス切歯をTrowe11法にて器官培養し、象牙芽細胞の形態変化、象牙質の形成を経時的に観察した。その結果ROCK inhibitorによって象牙芽細胞の分化に伴う形態変化、核の極性の獲得は阻害され、象牙質の形成が抑制されることが明らかになった。またROCKの下流にあると考えられているアクチン、E-cadherinの発現パターンも変化していた。 現在はROCKH IIノックアウトマウスにおける歯胚の構造解析を行っており、ROCK IIの歯胚発生における関わりを更に検討していく予定である。
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