2009 Fiscal Year Annual Research Report
生物燃料電池を利用した電気応答薄膜のインスリン放出システムの開発
Project/Area Number |
20890209
|
Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
高橋 成周 Ohu University, 薬学部, 講師 (90511022)
|
Keywords | 生物燃料電池 / 交互累積膜 / 機能性分子 |
Research Abstract |
昨年度、電位の印加によって崩壊する電気応答薄膜の作製を達成した。本年度はインスリンを含有する電気応答薄膜を作製して電気によってインスリンを放出する方法を検討した。作製したTEMPO修飾ポリアクリル酸(TEMPO-PAcA)およびインスリンを含有する溶液とポリアリルアミン(PAA)もしくはポリエチレンイミン(PEI)溶液に交互に浸すことによってTEMPO-PAcA+Insulin/PAAもしくはTEMPO-PAcA+Insulin/PEI交互累積膜を作製した。これらの膜に+0.7Vの電位を印加したところTEMPO-PAcA+Insulin/PAA交互累積膜では崩壊が見られなかったがTEMPO-PAcA+Insulin/PEI交互累積膜では崩壊が確認できた。しかし、水晶振動子ミクロバランス(QCM)法を用いて積層量を決定したところ、(TEMPO-PAcA+Insulin/PEI)_9/TEMPO-PAcA交互累積膜でおよそ300ng程度であったため、十分な量のインスリンの固定化ができなかった。 そこで、TEMPOを修飾するポリアクリル酸の分子量を1500から45000に変えてTEMPO-PAcAを合成して同様の検討を行った。ポリカチオンとしてPAA、PEIおよびポリジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩(PDDA)を用いた。その結果、TEMPO-PAcA/PEI交互累積膜がもっとも固定化量が多く崩壊に適していることがわかった。現在、再びインスリンの放出制御について検討しており、この研究によって新規薬物放出制御法への応用が期待できる。
|
Research Products
(2 results)