2008 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者の問題行動に対応する家族へのバリデーションを用いた指導方法の開発
Project/Area Number |
20890210
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石川 陽子 International University of Health and Welfare, 保健医療学部, 助教 (80467761)
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Keywords | 認知症 / BPSD / 介護負担感 / リハビリテーション |
Research Abstract |
現在,わが国は超高齢社会をむかえているといわれており,介護保険法では「できる限り住み慣れた地域での生活が継続できるよう」な方向性が示されている.認知症高齢者においても,地域での生活を維持するための新たなサービスの広がりがみられている.しかし,在宅で介護をする場合,サービス利用以外の非常に長い時間,認知症高齢者に対応するのは介護者(家族)であるものの,介護者に対するサポートはいまだ不十分なままであるといわれている.また,認知症高齢者の行動的・心理的症状(Behavioral and Psychological signs and symptoms of Dementia; BPSD)は介護者の介護負担感に強く影響すると報告されている.そこで今回,海外においてBPSDに対するアプローチとして注目されているバリデーションセラピーに着目し,介護者が使用可能な被介護者のBPSDへの具体的な対応方とその指導法を開発しようと考えた. 本年度の研究では,認知症高齢者の介護者(家族)の介護負担感に関連する具体的なBPSDを聞き取り調査にて蓄積し,バリデーション理論における4つのステージに分類して,家族が践できるバリデーションテクニックを用いた具体的なBPSDへの対応法作成における基礎とすることを目的とした.訪問リハビリテーションを実施する施設に許可を得て,作業療法士・理学療法士計3名を研究補助者として採用し,認知症高齢者の介護者に対して聞き取り調査を実施した.現在,聞き取り調査により得られたBPSD,介護負担感,基礎属性などについての結果の分析・検討を実施している.
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