2009 Fiscal Year Annual Research Report
P-糖タンパク機能制御の解明を目指した細胞内局在制御因子の探索
Project/Area Number |
20890212
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
叶 隆 Takasaki University of Health and Welfare, 薬学部, 助手 (70509257)
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Keywords | P-糖タンパク / 調節因子 / ERMタンパク / 癌多剤耐性 |
Research Abstract |
一般的にDNAはmRNAに転写された後、タンパクに翻訳され、さらにそのタンパクは様々な翻訳後修飾などを受け0その機能を発揮する。Ezrin、radixin及びmoesin(ERMタンパク)は細胞質において様々なタンパクと相互作用し、ABCトランスポーターに属するP-糖タンパク(P-gp)とも結合することが知られている。我々は、ERMタンパクはアクチンとも結合することから、これらのタンパクはP-gpが膜上に安定発現するための足場タンパクとして働くものと考えた。そこで前年度では、ERMタンパクがP-gpの活性に与える影響についてヒト肝細胞由来HepG2細胞を用いて検討したところOradixinが特にP-gp機能発現に重要な役割を持つことが示唆された。本年度は、HepG2細胞を用いて免疫沈降法にてradixinとP-gpの相互作用を確認した。また、radixinノックアウトマウスの凍結胚を購入し、仮親に移植して、radixinノックアウトマウスを得ることに成功した。現在、P-gpの機能に対するradixinの役割を解析するために、radixinノックアウトマウスを用いて実験を行っている。ERMタンパクはP-gpのみでなく他のABCトランスポーターとも相互作用する可能性が高く、ABCトランスポーターの基質となる医薬品の吸収率抑制の回避のみならず、癌多剤耐性を回避するための効果的な手段の発見に寄与するものと考える。
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