2008 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護ステーションに勤務する看護職のワーク・コミットメントの関連要因
Project/Area Number |
20890215
|
Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
黒臼 恵子 Mejiro University, 看護学部, 助教 (80458588)
|
Keywords | 訪問看護師 / ワーク・コミットメント |
Research Abstract |
平成20年度は、訪問看護職のワーク・コミットメント(WC)の関連要因を検証するために、1999年に日本労働研究機構が開発した「HRMチェックリスト」を活用し、埼玉県内の事業所を対象に質問紙調査を実施した。その結果、12施設82名の研究協力者のうち52名からの回答があり(回収率63.4%)、欠損値データーを除外した44名を分析対象者とした。分析結果は、1.WCの全体の平均値は、組織コミットメントの「情緒的」とキャリアコミットメントが平均以上を示し、訪問看護職は組織に対する情緒的な繋がりを持ち、看護職という職業に対してもコミットしている傾向がみられた。2.年齢が若く現在の在職期間が短い程、組織コミットメントの「規範的」が高く、組織への義務感が強いことが示された。更に、組織コミットメントの「存続的」は平均以下であるものの、訪問件数が5件未満と少ない訪問看護職は「存続的」が高くなる傾向にあった。また、管理職は一般職員に比べ、有意にキャリアコミットメントが高かった。職務コミットメントは属性による変化はみられず、WC全体においても平均以下の結果であった。3.職務満足感とWCの関連では、キャリアコミットメントとの間に中〜弱程度の相関が確認された。4.転退職意図と負の相関がみられたのは、組織コミットメントの「残留・意欲」のみであり、組織コミットメントの「情緒的」とは弱い正の相関が確認された。このことは、WCの否定的効果としてなんらかの役割ストレッサーが影響を与えている可能性が考えられた。5.就業形態間では、いずれの変数にも有意差を確認することはできなかったが、各変数間の関連の強さは非常勤職員のほうが強く、特に、キャリアコミットメント及び全般的職務満足感との間に強い関連が確認された。
|