2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯髄培養細胞におけるプラスミンと炎症性サイトカインの相互作用
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20890237
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
神尾 直人 Nihon University, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (10508774)
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 炎症 / プラスミン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト歯髄培養細胞におけるプラスミンによるプロスタグランジン(PG)E_2産生機構を解明し、歯髄炎の進行における歯髄細胞の機能的な特徴の一部を明らかにすること目的とした。PGE_2合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)のmRNA発現、タンパク質発現の検索、および培養上清中に遊離されたPGE_2量の測定を行った。その結果、COX-2 mRNA発現はプラスミン作用後30分から1時間で増強し、以後経時的に減少した。COX-2タンパク質発現は、ウェスタンブロット法にてAnti COX-2 monoclonal antibodyを用いて行った結果、プラスミン作用後1時間で細胞内COX-2タンパク質発現は最大になり、以後減少した。培養上清中のPGE_2量は、プラスミン作用後時間依存的に上昇し、1時間で最大になった。上記の結果はPAR-1活性化ペプチドであるSFLLRNでも同様の結果を得ており、さらにPAR-1阻害剤存在下では、いずれもその効果は抑制された。次に、細胞内シグナルを検索する目的でカルシニューリン阻害剤を作用させたところ、COX-2 mRNAおよびタンパク質発現は抑制された。今回の結果から、ヒト歯髄培養細胞においてプラスミンはCOX-2 mRNA発現、タンパク質合成、PGE_2分泌に関与し、さらには細胞内シグナルにおけるCa^<2+>-カルシニューリンシグナリングを介する可能性があることが示唆された。
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