2008 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド治療を指向した抗真菌薬の血中濃度簡易測定法の開発と遺伝子多型解析
Project/Area Number |
20890244
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
下枝 貞彦 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 講師 (40515087)
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Keywords | カラムスイッチングHPLC法 / テーラーメイド治療 / 抗真菌薬 / ダイレクトインジェクション法 / 遺伝子多型 / PK / PD理論 |
Research Abstract |
医療技術の進歩に伴う易感染患者の絶対数増加により、深在性真菌症が発症する機会が以前より急速に増加しており,その迅速で適切な治療が,患者の生命予後を左右している。治療薬として用いられる抗真菌薬においては、腎機能や肝機能状態、薬物吸収能のばらつきによって血中濃度に差が生じ、十分な血中濃度に達していない患者のいることも指摘されている。また、最近の薬物動態学(PK)/薬力学(PD)に基づく投与方法の検討では、ピーク依存性なのかトラフ依存性なのか必ずしも解明されていない。本研究では、実検体における測定結果を背景に、臨床現場において簡便かつ迅速に血液中の抗真菌薬を一斉分析できる定量法を開発し、血液内科領域で望まれている抗真菌薬の投与量、投与法について新たな提案を行う。また、CYP2C19の薬物代謝酵素遺伝子(薬物反応関連遺伝子)の変異(SNPs解析)と血中薬物濃度の結果からPK/PD理論に基づくテーラーメイド治療を提案する。 簡便かつ迅速な定量法として、カラムスイッチングHPLC法あるいはダイレクトインジェクション法を用いる。カラムスイッチング法を用い、オンラインで除タンパク、分離および定量を行うことで、簡易な測定法を確立できる。本年度は、ボリコナゾールおよびミカファンギンに対する定量法を検討し、従来法との値の相関性に関する検討および臨床検体への応用を行い、その結果から血中濃度測定の臨床的意義について報告した。さらに、ダイレクトインジェクション法については分析カラムに充填剤表面の極性が高く、細孔が小さいものを用いて、オンラインで除タンパクを行い、血中ミカファンギンの定量法について検討し、臨床サンプルに応用した。 CYP2Cl9の遺伝子多型については、インベーダー法を用いて測定し、解析を行った。CYP2C19の遺伝子多型および血中濃度との関係などについては検体を増やして詳細に解析中である。
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Research Products
(2 results)