2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890263
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
寺村 岳士 Kinki University, 医学部附属病院, 助教 (40460901)
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Keywords | Synovial tissue / chondrocyte / Stem Cells / regenerative medicine / tissue engineering / Flow cytometry |
Research Abstract |
軟骨欠損や変性軟骨に対する軟骨移植は、運動器疾患に対する代表的な再生医療である。近年自家軟骨移植技術の開発により、若年者の軟骨欠損に対しては良好な臨床成績が期待されるようになった。しかし、軟骨細胞は培養による増殖が長期間維持できない事、体外培養によって形質が変化あるいは細胞の老化が進行することが知られており、欠損部の面積が大きい場合や高齢者においては培養軟骨移植の適応が困難である。近年、新しい再生医療の材料として、高い増殖力と組織修復力を有する幹細胞注目されている。なかでも成体組織中に存在する組織幹細胞は安全性が高いことが知られており、臨床応用に向けた研究が進められている。本研究の目的は、滑膜組織、脂肪組織、筋組織から間葉系幹細胞を効率よく分離、培養する方法を検討し、軟骨分化能力を体外あるいはモデル動物へ移植することで、再生医療の応用に際し有用な情報を蓄積する事である。平成20年度の研究により、幹細胞を用いた軟骨再生医療の材料として最も有望視されている滑膜幹細胞について、ウシをモデルとした研究を行い、幹細胞のみを効率よく濃縮、培養維持する系を開発した。また、平成20年度後期には、安全性試験を念頭に実験系をウサギに移し、滑膜組織、筋組織、脂肪組織から間葉系幹細胞と考えられる画分を分離することに成功した。さらに、ウサギモデルにおいて、同法で得られた滑膜幹細胞を実際に移植する実験を開始している。移植研究を遂行する中で、一部のモデルにおいて、移植幹細胞が損傷組織において上手く定着しない、あるいは繊維化するという問題も観察されており、平成21年度には特に移植方法について重点的に検討する予定である。また、平成20年度に得られた培養系を元に体外で分化させた軟骨細胞の性状に関する検討を行い、それぞれの幹細胞の特性についての評価を行う予定である。
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Research Products
(4 results)