2009 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性脂肪酸を基盤とした新規抗認知症治療剤の創製および作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
20890266
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
清水 忠 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 助教 (40509022)
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Keywords | 認知症治療剤 / DCP-LA / 光学活性誘導体 / 光学分割 / 生理活性脂肪酸 |
Research Abstract |
認知症は創薬研究が解決しなければならない重要課題のひとつである。海馬で起こるシナプス伝達の長期増強作用(LTP)は学習や記憶形成過程において、重要な役割を果たすと考えられており注目を集めている。リノール酸などの生理活性脂肪酸は、プロスタグランジンなどの生理活性代謝物に注目が集まっているが、脂肪酸本体が直接LTPを活性化する作用をもつことからその誘導体研究も行われてきた。しかし、これらの脂肪酸は投与後速やかに脂肪組織等に取り込まれ有効な薬物動態を達成できない問題や、多量の投与によるプロスタグランジンなどによる副作用や毒性発現に結びつく懸念もあり、その解決が望まれていた。 そこで本研究では、新たな生理活性脂肪酸誘導体として、リノール酸の2つの二重結合部位をシクロプロパンに置き換えたDCP-LAの4種の光学活性体を合成し抗認知症治療剤を目指した研究を行なう。さらに、新規抗認知症治療剤創出に貢献しうる新規創薬ターゲットを同定することを目指す。 平成21年度は、前年度に高い光学純度を有するシクロプロパン誘導体の合成法を鍵として、本研究課題の第2ステップとなる、4種類の光学活性DCP-LA誘導体の全合成に着手し、これらの全合成に成功した。続いて、4種類の誘導体の薬理評価を行い、1つの誘導体が高い活性を示すことを明らかとした。さらに、第3ステップとなる光学活性DCP-LAのターゲット探索を目指し、各光学活性体のアフィニティ樹脂を作成し、ターゲット探索を行い、いくつかのターゲット候補を見出した。
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Research Products
(1 results)