2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV活性物質の創製を指向したC-H結合の活性化による直接的CF3化反応の開発
Project/Area Number |
20890272
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
小林 祐輔 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 助教 (90509275)
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Keywords | キノリノン / 抗HIV活性 / シアノ酢酸アニリド / C-H官能基化 / トリフルオロメチル |
Research Abstract |
インドール、ベンゾイミダゾール、キノリン誘導体などは、抗がん・抗ウイルス活性などの興味深い生物活性を示す複素環群であり、有用なファルヤコフォアである。今回、抗HIV活性などの生物活性を示すことが報告されている4位にアリール基、3位に水酸基を有するキノリノン誘導体(ビリジカチン誘導体)に注目し、その簡便かつ一般的な合成法の確立に成功した。すなわち、シアノ酢酸アニリドとアルデヒドの縮合反応・ワンポットエポキシ化反応に続く、分子内芳香族求電子置換反応を利用した合成である。ビリジカチン誘導体の従来法の合成法では、反応基質の合成が煩雑であったり、入手容易な試薬が限られているなどの問題があったが、今回開発した方法は、(1)入手容易なアニリド・アルデヒドを利用できるため、多様な置換基を有する誘導体の合成が可能である(2)アニリド誘導体のC-H官能基化を利用しており、廃棄物が少ない環境調和型の合成である(3)生成物が沈殿物として得られ、生成物の単離・精製を容易に行うことができ、スケールアップも容易であるなどの特徴を有する。さらに本手法を用いて、トリフルオロメチル基(-CF3)を導入した誘導体の合成を行った。その導入により、(1)脂溶性が向上し、吸収・輸送、あるいは受容体との相互作用が改善する(2)芳香環や複素環の電子密度を低下させ、受容体に輸送されるまでの間、酸化反応などによる分解が抑制され、その結果、副作用が低減するなどの効果が期待できる。
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Research Products
(2 results)