2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890280
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
丸山 智章 Ibaraki National College of Technology, 電気電子システム工学科, 助教 (00455114)
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Keywords | 歯科CAD / CAM / 歯学 / 3次元計測 / シミュレーション / 最適化 / PSO / アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究は,歯科CADにおける人工歯製作の品質向上のために,簡単な操作で患者の歯のすり合わせ運動(歯牙滑走運動)をCAD上に再現し,それを人工歯設計に応用することを目的とする.平成21年度の課題は次の通りである:1)歯牙滑走運動シミュレータの自動設定アルゴリズムの改良;2)咬合器を用いた歯牙滑走運動の再現実験;3)被験者を用いた歯牙滑走運動の再現実験.まず,1については,平成20年度に提案した歯牙滑走運動シミュレータを患者ごとに自動設定するアルゴリズムを改良した.従来のアルゴリズムにおいては,シミュレーテッド・アニーリング法を用いて最適解を導いた.しかし,計算時間が膨大になってしまうという問題があった,そこで,粒子群最適化法(PSO : Particle Swarm Optimization)を採用することにより,最適化の精度を落とすことなく,最適化にかかる時間を短縮することができた.次に2については,咬合器(臨床において機械的に歯牙滑走運動を再現する装置)を用いて実際に機能印象を作成し,その3次元形状データを用いて歯牙滑走運動シミュレータを最適化できるかを実験した.その結果,咬合器のような一定の運動を再現できる装置を用いて作成した形状であれば,シミュレーション実験と同様に,歯科CAD上に目的とする歯牙滑走運動を再現できることを確認した.最後に3について述べる.実際に被験者の口腔内より採得した機能印象形状を用いて再現した歯牙滑走運動は,モーションキャプチャによる運動測定結果と必ずしも一致しなかった.これは,咬合器に比べてヒトの歯牙滑走運動は再現性が低いことがあげられる.今後は,歯牙滑走運動の再現精度の向上のため,形状測定方法,機能印象材の変更などを検討,改良する必要がある.
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