2009 Fiscal Year Annual Research Report
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型の遺伝子プロファイルおよび発がん遺伝子の同定
Project/Area Number |
20890298
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
加留部 謙之輔 Aichi Cancer Center Research Institute, 遺伝子医療研究部, 主任研究員 (20508577)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / NK細胞リンパ腫 / 発現解析 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型(以下ENKTL)は欧米での頻度が少ないことや、検体の採取が困難なことから分子生物学的発がん機構は現在でも不明な点が多い。そこでわれわれは、ENKTLの細胞株および臨床検体を用いて網羅的な発現解析およびゲノム異常解析を行い、発がん機構の解明を試みた。具体的には(1)検体の収集、(2)DNAおよびRNAの抽出、(3)マイクロアレイを用いた発現解析を行った。 その結果、正常γδT細胞は正常T細胞よりも正常NK細胞に近く、腫瘍性γδ細胞株も同様に腫瘍性NK細胞株に近い結果となった(クラスタリング解析)。次に正常細胞と腫瘍細胞株から得られた結果から、自然免疫に関与する遺伝子セソト(innate immune signature : IIS)を抽出した。これらの遺伝子群は、臨床症例においても、NK細胞リンパ腫・γδT細胞リンパ腫で有意に高い発現を示し、T/NK細胞リンパ腫の分類に有効であると考えられた。 また、以前に行っていたアレイCGHの結果と照合して、ゲノム異常との相関が強い遺伝子も加えて抽出した。これらの発現の変化を確認するため、MET、HGF、CEACAM1を含む約20個の遺伝子についてRT-PCRを行ったところ、いずれの遺伝子も発現解析の結果と強い相関を示した。 これらの遺伝子は発がんに重要な遺伝子であると考えられた。
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