2008 Fiscal Year Annual Research Report
微小遺伝子変異の高感度検出によるゲフィチニブ耐性予測
Project/Area Number |
20890299
|
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
谷口 一也 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 研究所, 研究員 (70463289)
|
Keywords | 遺伝子変異 / 遺伝子診断 / 非小細胞肺癌 / 分子標的薬 / ゲフィチニブ / EGFR |
Research Abstract |
本研究では、高感度(<1/10,000)の変異検出法(BEAMing)を用いたゲフイチニブ耐性予測法を確立し、その臨床的有用性を検討することである。BEAMingは次世代シークエンスの基盤技術にも用いられているエマルジョンPCRを基にしている。ビーズ1個に標的遺伝子DNA1個が入るように反応液を油で乳化した後、ビーズ上のDNAタグをプライマーとしてPCRを行い(エマルジョンPCR)、個々のビーズに一分子由来のPCR産物を固定し、変異部位を蛍光標識したのちフローサイトメトリーで解析する支術である。本年度は蛍光標識を一塩基伸長法により行う手法を確立した。EGFRの耐性変異T790Mが含まれるようにプライマーを設計し、エマルジョンPCRを行った。その後、クローニングによりコントロールサンプルを作製し、100%から0.01%のT790Mが含まれるようにWTと混合し、BEAMingの感度を測定した。その結果、0.1%までは確実に測定可能であった。 また、原発性肺癌症例169症例を対象とし、シークエンスによりEGFRの遺伝子変異を同定した。169企例のうち71症例において遺伝子変異が同定された。Gefitinibを投与した46症例を対象に、変異陽性群(25例)および陰性群(21例)でGefitinib投与後のTime to progression(TTP)およびOverall survival(OAS)を比較したところ、変異陽性群で有意に延長していた(p<0.001,p<0.001)。 21年度には変異部位特異的なプローブを用いるハイブリダイゼーションの手法による技術の確立を行う。また、Gefitinibを投与した変異陽性群のT790M変異の高感度測定を行う。この技術により、抗癌剤投与前に耐性変異を同定でき、また、血中癌細胞の高感度測定にも利用可能となると考えられる。
|
Research Products
(2 results)