2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム系酸窒化物における希土類発光中心の構造制御
Project/Area Number |
20900101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鱒渕 友治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80466440)
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Keywords | 構造機能材料 / 光物性 / 無機工業化学 / 蛍光体 / サイアロン |
Research Abstract |
LEDやディスプレーなどの様々な用途に向けて耐久性のある高輝度蛍光体が求められている。ユーロピウムを共存させて酸窒化アルミニウムをゲル化窒化合成すると、マグネトプラムバイト型の結晶構造を持つと思われる化合物が微量生成した。とりわけ0.5 at%ユーロピウムを添加した生成物が複数波長で強い青色の発光を示した研究実績を踏まえ、本研究ではAlN擬似多形15R相siAl_4O_2N_4にEu^<2+>をドープした蛍光体を合成して蛍光特性を調べた。 1) Si_3N_4/AIN/Al(NO_3)_3=1/8/4の原料組成比を1/12.8/6.4とし0.5at%ユーロピウムを添加したゲル化窒化生成物を1750℃で3時間ホットプレス処理すると、15Rポリタイポイドが主相でα-A1_2O_3を含む混合物が得られ、450nm付近で青色発光した。また2)α-Si_3N_4, α-A1_2O_3, AINおよびEu_2O_3を原料とし1800〜1850℃でホットプレスする固相反応法によって、15R相siAI_4O_2N_4にユーロピウムドープした蛍光体の単一相が生成した。440nm付近に最大強度をもち450nm付近に肩のあるEu^<2+>の4f^65d→4f^7に帰属される発光ピークをもつ青色発光を示した。 これらの実験結果より、ポリタイポイド15R相SiAl_4O_2N_2 : Eu^<2+>は、紫外光および電子線励起で450nm付近に最大強度をもつ青色発光を示し、Eu^<2+>は複数波長で発光することが明らかになった。酸窒化物ホスト中ではEu^<2+>の周りの配位様式には、少なくとも二種類はあることが判明した。
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