2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類合金準結晶におけるパノスコピック構造制御とその物性研究
Project/Area Number |
20900102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石政 勉 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10135270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 洋礼 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30284483)
柏本 史郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60329852)
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Keywords | 準結晶 / 希土類合金 / 近似結晶 / スピングラス |
Research Abstract |
パノスコピックな秩序構造である準結晶について形成条件と磁性の研究を行った。 (1) Cu基の正20面体準結晶の数少ない例であるCu_<46>Al_<38>Sc_<16>合金を500〜804℃において焼鈍し、準結晶の安定性について調べた。その結果、804℃において準結晶が2種類の近似結晶に相転移することを見つけた。一つの近似結晶は立方晶でCu_<46>Al_<39>Sc_<15>の組成をち、もう一つは、斜方晶のCu_<44>Al_<41>Sc_<15>である。これら近似結晶はCu-Al-Sc合金における平衡相と考えられる。この相変態は804℃においては、ゆっくりで5時間以上を要する。また、3回軸方向に変調を伴った準結晶が中間状態として生じることが明らかとなった。 (2) 3dと4fの両方の磁性元素を含むという点で注目されているZn_<77>Fe_7Sc_<16-x>Tm_x正20面体準結晶の作製方法を見直して、磁性不純物を含まない試料をTm組成0〓x〓6の領域で作製し磁気測定を行った。その結果、Tm置換を行っても、x=0の場合と同程度の磁気モーメントをFeが持ち続けることが明らかとなった。これらの準結晶は、低温でスピングラス類似の磁気構造をとる(凍結温度7.0-9.5K)。凍結温度以下においても磁化率が少しずつ増加する現象が観測された。これはTmの磁気モーメント間の相互作用が弱い事に起因するものと解釈される。
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Research Products
(4 results)