2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類と遷移金属を秩序配列させた複合酸化物のデザインとf-d電子の示す磁性
Project/Area Number |
20900103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日夏 幸雄 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (70271707)
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Keywords | 希土類 / 遷移金属 / 酸化物 / 磁気的性質 / 蛍石型構造 / 反強磁性転移 / 白金族元素 / 磁気モーメント |
Research Abstract |
希土類と遷移金属を結晶構造中で秩序配列させた一連の化合物群を新規合成し、その磁気的性質を調べることにより、新たなf-f電子間、f-d電子間の相互作用に起因する特異な物性の発見を目指した。 蛍石型構造を基本構造にもつ三元系複合酸化物に着目した。蛍石型二元系酸化物MO_2では、Mサイトに入る希土類はセリウムと、高圧条件下でのプラセオジム、テルビウムだけで、従って希土類のf電子が蛍石型構造の物性の中心的役割を果たした例はない。しかし、+5価の遷移金属(ルテニウム、イリジウム、レニウム、ニオブ、タンタル、アンチモン)を含めることで、3価の希土類を蛍石型構造のカチオンサイトへの導入が可能となった(Ln_3MO_7化合物の生成)。しかも希土類と遷移金属は無秩序にカチオンサイトを占めるのではなく、酸素原子を介して希土類が1次元鎖を形成する秩序配列を示し、さらに同様に1次元鎖を形成する遷移金属と2次元平面構造を持つことがわかった。Ln_3NbO_7では、3種類の結晶相と希土類のイオン半径との関係を明らかにし、低温における希土類の特異な段階的磁気秩序を発見した。 次に六方晶酸化物Ba_6La_2Fe_4O_15の磁気的性質に関する研究を行った。磁気測定により、この化合物がクラスター磁性を示すことを初めて見出した。Laサイトに4f電子をもつ磁性イオン(Pr, Nd)の導入を行うと、導入した希土類の磁気モーメントは、大きなクラスターの磁気モーメントをさらに強め、磁気転移温度の大幅な上昇をもたらすことを見出した。
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Research Products
(4 results)