2008 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御希土類系磁性体における粒間磁気相互作用の電子論的研究
Project/Area Number |
20900107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐久間 昭正 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (30361124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土浦 宏紀 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30374961)
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Keywords | 希土類磁石 / Nd_2Fe_<14>B / 交換スプリング磁石 / 結晶磁気異方性 / ナノコンポジット磁石 / 保磁力 |
Research Abstract |
磁性体の結晶粒間の磁気的相互作用を電子論的立場から定量的に評価し、(ナノスケールで)パノスコピック形態制御された高機能磁性材料の設計指針を提供することを目的に、密度汎関数法に基づく電子状態の第一原理計算から、バルクNd_2Fe_<14>BおよびNd_2Fe_<14>B/α-Fe交換スプリング構造における結晶磁気異方性と層間の交換相互作用エネルギーの評価を行った。さらに、これらの物質定数をもとにランダウ-リフシッツ-ギルバート(LLG)方程式を用いた磁化曲線のシミュレーションにより、交換スプリング磁石の最大エネルギー積を見積もった。 バルクNd_2Fe_<14>Bについては、磁気モーメント、結晶磁気異方性ともに実測値とよい一致を示し、本手法の妥当性が確認された。次にNd_2Fe_<14>B層とα-Feを(001)面で接合した場合、界面で強い交換結合とバルクと同等の(一軸)磁気異方性が得られたが、(100)面で接合した場合、Nd_2Fe_<14>B層とα-Fe層の磁化が反平行結合で且つ負の(面内)磁気異方性となり、交換スプリング磁石としての特性が著しく低下する可能性がある事がわかった。このことは、交換スプリング磁石のみならず、希土類磁石は結晶粒界面および粒界相によって磁気異方性などの磁気特性がバルクと著しく異なり、保磁力などの材料特性に大きく影響する可能性があることを示唆している。
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Research Products
(7 results)