2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20900113
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾松 孝茂 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 教授 (30241938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 博文 九州大学, システム情報科学研究科, 助教 (30363386)
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Keywords | 希土類イオン / レーザー / 導波路 / 光散乱 |
Research Abstract |
近年、低い振動エネルギーを持つ配位子と結合したEu^<3+>などの希土類イオン(光機能性希土類錯体)が、有機媒質中でもフォノン緩和による失活が起こらず強い発光を示すことが知られている。なかでもEu錯体は300nm-400nm帯で強い吸収を示すことから代表的な超短パルスレーザーであるチタンサファイアレーザー(波長776nm)で二光子吸収過程で励起できる。三次非線形光学現象の一つである二光子吸収吸収を利用すれば、自己回折効果や時間反転波やスペクトル反転波など様々な応用が可能になる。 本研究では、チタンサファイアレーザーによってPMMA中に分散したEu錯体が起す二光子吸収を測定した。さらに二光子吸収を介して形成される透過型回折格子を用いて前置縮退四光波混合を行い、前方位相共役波を観測した。回折光強度が入射光強度の5乗に比例することから二光子吸収による位相共役波発生であることを確認した。 有機導波路レーザーは、小型で安価な分光用光源として注目を集めているが、紫外-青領域で光退色が少ない材料が少なく未開拓波長領域であった。本研究では、SiO_2微粒子を活性層に添加することで高効率発振(スロープ効率>20%、パルス幅〜27ps、パルスエネルギー10μJ)するローダミン6G有機色素ドープ導波路レーザーの第二高調波による291nmの紫外光レーザー発振やFluorescent Brightener 135を用いた新規青色有機レーザーの発振にも成功した。
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