2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類錯体を用いた無機-有機ハイブリッド材料の創製
Project/Area Number |
20900115
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 峰夫 Niigata University, 自然科学系, 教授 (30149984)
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Keywords | 無機-有機ナノコンポジット / 希土類錯体 / 蛍光体 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
大きなイオン半径を有する希土類元素の特徴を生かして、構造的に制御されたナノサイズの細孔を有する希土類含有無機-有機複合体の合成を検討する。ゼオライトやリン酸アルミニウムなどでは達成できないナノサイズの空孔を創生する目的で、バナジウムを無機骨格とする無機-有機複合体の合成が盛んにされている。今回、これまでに得られた複合体の中でも大きな細孔を持つことが確認された[Ln_2(dipic)_3(DMF)_2]・nH_2O(Ln=Eu,Tb)の詳細な構造解析(Eu化合物の構造が不明であった)とガス吸着特性を検討するとともに、細孔形成のテンプレートとなる有機分子としてDMFの替わりにN, N-dimethylaoetoamide(DMA)を用いて合成した新しい複合体の特性について検討した。その結果、DMFおよびDMAをテンプレートとして用いることにより、ガス吸着能を示す細孔を有する希土類-有機複合体を新規に合成した。合成された複合体中は、有機配位子から希土類発光中心への効率的エネルギー移動による強い発光を示した。さらにこの発光スペクトルと強度は吸着分子の結晶中へ脱離/挿入により大きく変化することがわかった。この現象を利用して新しいタイプの湿度或はガスセンサーへの展開が期待される。
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