2008 Fiscal Year Annual Research Report
液相析出法による希土類系物質のパノスコピック形態制御と材料機能の高度発現
Project/Area Number |
20900126
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出来 成人 Kobe University, 工学研究科, 教授 (10101065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水畑 穣 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10283871)
梶並 昭彦 神戸大学, 環境管理センター, 准教授 (10169443)
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Keywords | 近接場効果 / シピコリン酸 / 酸化ユウロピウム / 蛍光スペクトル / 自己集合体 / 銀微粒子 / 蛍光増強 / 蛍光寿命 |
Research Abstract |
本研究では、金属コロイド自身のプラズモン共鳴吸収時のエネルギー移動の阻害による消光と金属表面での被覆率の最適化によるエネルギー移動における増強の2つの現象のバランスについて検討した。銀コロイドを分散させたEu(III)錯体からの発光増強について、大きな配位高分子を形成しない低濃度領域のEu(III)ジピコリン酸(dipic)錯体の銀微粒子共存系における発光挙動を対象とし、溶液中での構造体形成とEu錯体の発光特性の相関について検討した。Eu(NO_3)_3・5H_2OのDMF溶液に所定量のdipicを加えた錯体溶液を作成し、dipic錯体溶液の蛍光スペクトル及び蛍光寿命を測定した。また、DMF中で保護剤をPoly(vinylpirrolidone)としてAgNO_3を還元し調製した銀コロイドを錯体溶液に所定量添加し、TEM観察, UV-visスペクトル測定によりサンプル内の銀微粒子について、また発光スペクトル測定、蛍光寿命測定により希土類錯体についての知見を得た。Eu^<3+>イオンに対する錯体の配位は[Eu(dipic)_3]^<3+>で示される事が知られているが、発光スペクトルにおいて単一の蛍光バンドが見られる為には4-5倍のdipicが必要であることが明らかとなった。そこで、銀コロイド添加後のEu(dipic)_5^<3+>によるプラズモンの吸収の変化を測定したところ、添加後数日間を経て、銀コロイドの凝集を示すプラズモンが見られた。この試料について蛍光スペクトルを測定したところ、銀コロイド濃度が100pM程度までは蛍光が増強し、その後緩やかに減衰する結果が得られた。このことから、金属コロイド近傍における蛍光増強現象においては非常に増強の程度は限定されているが、その機構として、金属粒子の近接場において存在するEu錯体との相互作用が要因の一つとして挙げられることが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)