2008 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系リチウム貯蔵合金電極の創製と二次電池への応用
Project/Area Number |
20900129
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 Tottori University, 工学研究科, 教授 (00202086)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 貴久 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (10367138)
|
Keywords | 希土類合金 / リチウム電池 / 負極材料 / リチウム電池 / ガスデポジション / 二次電池 |
Research Abstract |
Si電極は黒鉛電極の10倍もの高い理論容量を持つことが知られているが, 金属系材料の中でも特にサイクル安定性に劣る.我々は, 始めに希土類との化合物(シリサイド)とすることでこの間題の解決を図ろうとしたが, ケイ素特有の高容量の利点が損なわれてしまうことがわかった, 一方で, 希土類シリサイドが極めて優れた充放電サイクル安定性を有することを見出した.そこで本研究では, この化合物と単体ケイ素とをガスデポジション(GD)法を用いてコンポジット厚膜化することにより, 高容量と優れたサイクル安定性を併せ持つ電極の創製を目指した.加えて, 希土類以外の遷移金属シリサイドとSiとのコンポジット電極も作製し比較検討を行った. 種々の遷移金属シリサイドとSiとのコンポジットに関して, GD厚膜電極のサイクルに伴う放電(Li脱離)容量の変化を調べたところ, いずれのコンポジット電極もSi単体電極と比較すると, 初期の容量は減少したもののサイクル安定性が格段に改善された高性能電極となることが示された.なかでも希土類シリサイド(LaSi_2)/Siコンポジット電極では, 1000サイクル後においてもグラファイトの理論容量を超える大きな放電容量を維持しており, 次世代のリチウム二次電池の負極として極めて有望であることがわかった. これらの電極のクーロン効率を見てみると, 優れたサイクル安定性を示したコンポジット電極は, Si単体電極で見られる40サイクル付近での落ち込みが顕著に抑制されていることがわかった.これらの電極では基板からの活物質層の亀裂やはく離による集電性の低下が抑止されたものと推察できる、また, 特に希土類シリサイドを用いたコンポジット電極(LaSi_2/Si)が優れたサイクル性能を示した.これは, 希土類シリサイドが他のシリサイドよりもリチウムとの反応にともなう分解がより起きにくいことによるものと推察している.
|
Research Products
(10 results)