2008 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック組織制御による希土類錯体超分子発光体の構築とセンシング機能
Project/Area Number |
20900138
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
築部 浩 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (00144725)
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Keywords | 希土類錯体 / 形態制御 / 希土類発光 / センシング / 今子認識 / 錯体機能 / ナノスケール / タンパク |
Research Abstract |
希土類錯体は、ダイナミックな電子構造や配位化学に基づいた興味ある発光機能を発現する。本研究では従来にないナノスケール希土類錯体を開発し、超分子組織制御と新機能設計を実現して、希土類科学や物質科学、希土類系機能物質創製の基盤を築くことを目的とした。特に、希土類錯体化学を基盤としたナノスケール分子認識と高感度光センシング機能の発現を図るため、テーラーメイド配位子や巨大配位子を含む高組織化希土類錯体の合成と、計算化学に基づく発光性希土類錯体の設計や多彩な階層的組織化による希土類発光特性の高次化を実現し、選択性に富んだナノスケール希土類錯体系センシング材料の開発へと展開した。 (1) 希土類錯体を活用した近赤外発光センシング アニオン基質との高配位型錯体を形成すると発光強度を大きく変化させ,発光センサーとして機能する希土類錯体系の構造最適化を図った。その結果、水溶液サンプル中のアミノ酸に対して、選択的な近赤外発光を与える新たな希土類錯体群を開発し、希土類発光を用いた生体基質の発光センシング系を構築した。 (2) 希土類錯体の組織化を活用した超分子センシング 制御された基質包接空間をもつ天然タンパク配位子と発光機能を示す希土類中心とを組み合わせた超分子錯体系を調製して、分子認識機能を賦与すること成功した。特徴ある分子空間を提供するトランスフェリンなどのタンパク質マトリックス中へ発光性希土類中心を導入した発光性超分子希土類錯体を調製して、タンパク特性を活かした無機イオン基質との結合挙動と発光特性との相関を明らかとした。さらにマイクロ粒子系への固定化を通じて蛍光顕微鏡観察下での発光センシング系を構築した。
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