2020 Fiscal Year Annual Research Report
Optimal rules in pragmatics of argumentation: A view from game theory and logic
Project/Area Number |
20F20012
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 竜一郎 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80345454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANG LIPING 早稲田大学, 国際学術院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2020-09-25 – 2023-03-31
|
Keywords | 関連性理論 / 不完備情報ゲーム / 矛盾 / 戦略的発話 |
Outline of Annual Research Achievements |
議論学における発話戦略のゲーム理論的な分析のため、特定のコミュニケーション場、具体的には意見を異にする主体が互いの意見交換を行う「討論の場」を対象にした分析を行った。討論の場においては、各主体が自分の主張と無関係な内容を語ることで討論を誤魔化す、もしくは矛盾している内容を矛盾していないように話そうとする「ごまかし」等を分析の対象とした。 こうした背景には近年の議論学の発展がある。1990年代に議論学は数理論理学的手法を用いた議論の基本的枠組みが提示され、以降その枠組みを発展させた「数理議論学」の発展が見られた。近年その戦略的側面の研究が増えた一方、ゲーム理論的な枠組みとの乖離が存在する。 この分析をゲーム理論と接合するために、ゲーム理論を数理論理学の枠組みで分析する「ゲーム論理」の手法を用い、二つの観点から上記のごまかしを避けた戦略的発話の分析を起こった。無関係なことを語ることで誤魔化す戦略に対して、発話間の内容の関連性を測る指標を導入することで、関係性が明示的に聴衆に伝える状況を設計した。また、矛盾を含む内容の発話を明示化するために、論理学で言うところの含意(A→B)概念を応用し、含意を伴う発話の仮説が結論として用いられていないかの検証を行った。 こうした指標や検証を聴衆が評価できるメカニズムの導入をするために、聴衆が投票行動で話者を評価可能なメカニズムを導入した。投票者の目的関数を、話者の発話理解の最大化とすることで、情報伝達の場としての討論を考察し、不完備情報ゲームの一つとして定式化することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不完備情報ゲームの枠組みで議論学を再構成することで、分析の基礎となる枠組みが提示できた。そのため、本プロジェクトの根幹部分に関する成果を出せたため、順調に進展したといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
当該年度では、討論を投票で判断すると言う限られたコミュニケーションの場の分析を行った。今後大多数におけるコミュニケーションや、多種多様な発話戦略、特に議論学で古くから研究が続いている「誤謬」のゲーム理論的側面についた研究を行う予定である。
|
Research Products
(5 results)