2021 Fiscal Year Annual Research Report
Optimal rules in pragmatics of argumentation: A view from game theory and logic
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20F20012
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 竜一郎 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80345454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANG LIPING 早稲田大学, 国際学術院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-09-25 – 2023-03-31
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Keywords | 関連性理論 / シグナリングゲーム / 類似性 / 戦略的発話 |
Outline of Annual Research Achievements |
議論学における発話戦略のゲーム理論的な分析のため、シグナリングゲームにおけるコミュニケーションにより言語的な側面を導入した理論分析を行った。より具体的には、伝統的なルイスのシグナリングゲームを拡張する。標準的モデルでは、有限の状態集合のもとで、各状態に適したアクションが存在する。状態を認識している送信者がいて、受信者に1つの信号(シグナル)を送ることができる。受信者は状態を知らないので、アクションを選択しなければならない。しかし、このモデルでは信号の意味を語ることができず、ゲームの均衡戦略によって暗黙のうちに表現されるだけにすぎない。また、信号が抽象的な記号であるため、モデル内で状態と信号、信号と行為の間のつながりを語ることはできない。この結果、信号の違いが意味する意味を議論することもできない。これらの欠点を克服するために、命題論理に基づく新しいシグナリングゲームを提案した。状態、信号、行為はすべて命題で表現し、より複雑なメッセージを議論できるようになった。 さらに、命題論理を用いて、先行研究で研究されている命題間の含意測定を使って、状態と信号の間、信号と行為の間の類似性を議論した。その結果、送信者は特定の状態において適切な信号を選択することができる。つまり、送り手は、ある状態とシグナルの類似性を比較することで、最も正確な表現を選択することができるように、シグナルを選択する。一方、信号を受け取った受信者は、信号と可能な説明の類似性を比較することによって、最も正確な説明を選択することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不完備情報ゲームの枠組みで議論学を再構成することで、分析の基礎となる枠組みが提示できた。そのため、本プロジェクトの根幹部分に関する成果を出せたため、順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度では、標準的なシグナリングゲームの対象を拡張し、言語的な意味を信号に取り込むことができる命題を用いた定式化を行った。これを次年度では、より一般的なコミュニケーション場に応用することで、コミュニケーションのゲーム理論を拡張する。さらに、そうしたコミュニケーションがより適切に行える場の設計をメカニズムデザインからの援用で構築することで、「コミュニケーション場のメカニズムデザイン」を発展させていく。
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Research Products
(5 results)