2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of exotic tetraquark states in the first-principle calculation
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20F20026
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
岡 眞 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, センター長 (60144606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG GUANGJUAN 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | エキゾティックハドロン / テトラクォーク / 量子色力学 / クォーク模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人特別研究員との共同研究として、ヘビークォークを含むエキゾチックハドロンのスペクトルと構造の研究を行った。近年、BelleやLHCbなどの加速器実験施設で数多くの新種のハドロンが発見されている。その中にはヘビークォーク(チャームやボトム)を含むハドロンの幅の狭い共鳴状態が見られ、それらはクォークを4個ないし5個含む新しいタイプのハドロンであると考えられている。これらの新種のハドロンの構造やダイナミクスを解明することが直近の重要課題となっている。この研究では、チャームクォーク2個と反チャームクォーク2個からなるすべてチャームの4体クォーク系の束縛状態および共鳴状態に対してクォーク多体系の第一原理計算を行った。この計算では、Jacobi座標をガウス関数で展開するガウス展開法を用いた。軌道角運動量が0と1の状態のスペクトルを計算し、LHCで発見された幅の狭い共鳴状態にはS波の励起状態かP波の状態が対応するという結果を得た。しかし、共鳴状態と2個のメソンの散乱状態の結合が取り入れられていない計算なので、どの状態が幅が狭く共鳴として存在するかの判断ができないという結論となった。この困難を解決するために、共鳴状態を束縛状態と同様の方法で求めるために座標(と運動量)を複素数に変換した微分方程式を解く複素スケーリング法を導入した。その結果、軌道角運動量が0で、スピンが0, 1, 2の状態で対応する2つのeta_cあるいはJ/psiメソンの閾値からかなり高い励起状態が幅の狭い共鳴状態として現れることを示した。複素スケーリング法による研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チャーム4体系の計算が順調に進み、結果を原著論文として発表した。さらに複素スケーリング法を導入したことで、散乱状態との結合を正しく取り入れた計算が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、テトラクォーク系の閉込めポテンシャルの正しいとり方を検討し、新しいクォーク模型の提案を行うべく研究を進める。
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Research Products
(3 results)