2020 Fiscal Year Annual Research Report
Chemistry of MOF based Thin Layer Materials for Synergistic Purification
Project/Area Number |
20F20074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 高等研究院, 特別教授 (20140303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIVANNA MOHANA 京都大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 分離材料 / ナノ空間化学 / 錯体化学 / 分離機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多孔性配位高分子(MOF)を基盤とした複合膜材料を用いた協奏的な分離法の開発を行うことを目指す。膜を用いた混合ガスからの単成分ガス分離は工業的にも使用されているが、未だに効率や分離能の点で改善の余地が大いにある。例えば、炭化水素ガスの工業的な分離は複数のステップを経るエネルギー効率の点で欠点があった。本プロジェクトでは、分離能に優れた潜在能を有する複数のMOFを利用して複数の選択的な吸着サイトを有する複合材料を創出することで、複数種成分を含有する混合ガスをワンステップで高効率及び高選択に分離を行う新しい分離材料の実現に挑む。重要度が高い一方で分離難易度が高い(エネルギーコストが高い)炭化水素系ガスの分離を主要ターゲットとした。 昨年度は複合材料の構成物質とすべき、MOF材料の開発とスクリーニングを行った。従来沸点が同様であるために分離の難しいとされるキシレンの異性体蒸気を、ホフマン錯体を用いて分離できることを見出した。同系構造の異種金属のホフマン錯体を用いて分離能について検討することで、ホフマン錯体のピラー配位子の回転のエネルギー障壁と分離能との相関を見出した(Chem.Commun.2020,56,9632.に掲載された)。この発見を皮切りに、構造の局所的な柔軟性を活用した様々な分離材料の開発を行っており、C2ガスやC3ガスなどの選択的分離材料の合成に成功している。現在はこれらのガス分離昨日発現の機構について検討しており、データが纏まりしだい論文化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、複合材料の構成物質とすべき、MOF材料の開発やスクリーニングを主に行った。本課題を遂行するにあたり柱となる研究内容がおおむね順調に進展した。 従来沸点が同様であるために分離の難しいとされるキシレンの異性体蒸気を、ホフマン錯体を用いて分離できることを見出した。同系構造の異種金属のホフマン錯体を用いて分離能について検討することで、ホフマン錯体のピラー配位子の回転のエネルギー障壁と分離能との相関を見出した(Chem.Commun.2020,56,9632.に掲載された)。この発見を皮切りに、構造の局所的な柔軟性を活用した様々な分離材料の開発を行っており、C2ガスやC3ガスなどの選択的分離材料の合成に成功している。現在はこれらのガス分離昨日発現の機構について検討しており、データが纏まりしだい論文化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した新規のガス分離材料について、分離機能のメカニズムについて解明を行う。また、前年度で開発した材料を膜中で複合化、もしくは複合化した後に膜化をすることで、複数の選択的な吸着サイトを有する高機能な膜材料の開発を行い、工業用ガス分離技術にも通用する高選択性・高回収率を実現することを目標とする。膜化法と用いるMOF材料の組み合わせにより、任意のガスを高選択的に精製する手法の開発を目指す。ガスの分離の具体的な目標としてはまず、CO2、N2、CH4の混合ガスからのCO2の選択的分離及び、CO2、N2、CH4、C2H2の混合ガスからのC2H2の選択的分離を想定している。
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