2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on boosting mechanism of fiber digestion in key rumen bacterium by agricultural byproduct
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20F20102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小池 聡 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90431353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAHRITA LUCY 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ルーメン / 繊維消化 / 農業副産物 / 繊維分解菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではF. succinogenesが保有する糖質分解酵素遺伝子(以下、GH遺伝子)のうち、機能がわかっている15個のGHに的を絞り、それらの遺伝子発現レベルを検討した。発現変動が見られたGH遺伝子は8つあり、2つは、マメ外皮添加によって発現量が減少した。これらの遺伝子は、GHファミリー8および9に属するエンドグルカナーゼであった。GHファミリー9に属する遺伝子は、結晶セルロースに対してほとんどまたはまったく活性を示さないが、可溶性セルロース誘導体およびさまざまな植物多糖類に対しては活性を示すことが知られている。植物の細胞壁のセルロースは結晶化した構造であるため、これらの遺伝子がコードする酵素はイナワラ消化への貢献度は低い可能性がある。マメ外皮添加によりイナワラ消化への貢献が低い酵素の遺伝子発現が低下するのであれば、酵素合成のコスト節約となり、結果としてF. succinogenesの効率的な繊維消化を促すかもしれない。 本研究で対象としたGH遺伝子のうち、エンドグルカナーゼ、キシラナーゼまたはセロデキストリンをコードする6つはマメ外皮の添加により発現量が向上した。これらのGH遺伝子の発現向上は、マメ外皮によるイナワラ消化のブースター効果を一部説明するものである。F. succinogenesは、植物細胞壁多糖類のセルロースとヘミセルロースの両方を分解する能力があることが知られている。多様なセルラーゼとヘミセルラーゼの発現向上は、複数の糖質分解酵素が複合的に作用することでF. succinogenesのセルロース分解が効率的に行われることを示唆している。 以上より、マメ外皮添加によりセルロース分解菌が保有するセルラーゼやキシラナーゼの遺伝子発現向上が認められ、本資材による繊維分解ブースト効果の機序を一部解明した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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