2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of PTH on energy and glucose metabolism in a mouse model of diabetes
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20F20108
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
駒場 大峰 東海大学, 医学部, 准教授 (60437481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAJOL MD ABUL 東海大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 副甲状腺ホルモン / 褐色脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は2型糖尿病の主要な危険因子であり,その制御は喫緊の課題である。近年,慢性腎不全で上昇する副甲状腺ホルモン(PTH)や悪性腫瘍で上昇する副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)が白色脂肪細胞の褐色化を誘導することによりエネルギー消費を亢進させ,これらの患者で見られるカヘキシーを惹起することが示されている。 そこでわれわれは,PTH製剤が糖尿病モデル動物であるob/obマウスの脂肪組織の褐色化,糖・脂質代謝,摂食行動に及ぼす影響を検討した。6週齢雄性野生型マウス,ob/obマウスにvehicle,PTH製剤(テリパラチド;80,400,1000 μg/kg)の単回投与を行い,2時間後に採取した脂肪組織における脂肪細胞褐色化,熱産生に関連する遺伝子をRT-PCRにより解析した。その結果,野生型マウス,ob/obマウスともに,PTH製剤によりUcp1,Dio2など褐色脂肪細胞に特異的な遺伝子群の誘導が認められた。 次いで6週齢雄性野生型マウス,ob/obマウスにvehicle,PTH製剤(テリパラチド;80,400,1000 μg/kg)を投与後,24時間にわたりグルコース,インスリンを経時的に計測し,単回のPTH製剤が糖代謝に直接的には影響を及ぼさないことを確認した。 さらに現在,6週齢雄性野生型マウス,ob/obマウスに対し,vehicle,PTH製剤(テリパラチド;400 μg/kg)の連続投与を開始している。28日間の投与期間終了後,脂肪組織における脂肪細胞褐色化,熱産生に関連する遺伝子の発現や,,糖・脂質代謝への影響を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り,2020年に予定していた研究はすべて完了し,仮説に合致するデータを得ることができた。さらに2021年度に開始予定だった研究にも着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
6週齢雄性ob/obマウスにvehicle,PTH製剤を28日間にわたり連続投与し,体重,食事量の経時的変化を解析する。投与終了後,脂肪細胞褐色化や糖代謝に及ぼす影響をより詳細に検討する。
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