2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20F20319
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 昌宏 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50182647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG XINCHI 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | 非整数階偏微分方程式 / 混合型非整数階微分 / 一意存在 / 逆問題 / 一意性 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.時間について単独の非整数階の微分項を持つ非整数階偏微分方程式を対象とし、係数が時間にも依存する一般の場合に階数が1と2の間の場合に、初期値・境界値問題の解の一意存在性・漸近挙動などの基本性質を初めて明らかにした。成果はまもなく出版される。 2.時間微分の項が古典的なものと大きく異なり作用素論的な扱いを要するので、そのための偏微分方程式論的な方法論を一般的な枠組みで確立した。 3.そのような基礎理論に基づき、係数や非整数階微分の階数など現象を規定する重要なパラメータを解の観測可能なデータから決定するという逆問題における一意性や安定性などの数学解析に関して考察を進め、成果を論文にまとめつつある。 4.非整数階偏微分方程式は、モデル方程式として応用分野でもその数学解析が求められており、本研究はそのような要請に応える数学解析の成果を目指した。さらに混合型の非整数階微分を持つ偏微分方程式にも研究対象を広げた。 5.本研究による成果を用いて、産業界・環境問題に関連する逆問題の解決に寄与していくことに努め、応用面からのフィードバックにより、非整数階偏微分方程式に対する数学解析を深化させることを目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の2つが主な理由である。 1.非整数階偏微分方程式の基礎理論を、特に先行研究が少なかった階数が1と2の間の場合に確立したこと。 2.1.の成果に基づいて、逆問題や制御理論を階数が1と2の間の場合に拡張し、先行研究が極めて少ない状況を打破し、研究をさらに発展させていること。
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Strategy for Future Research Activity |
1.階数が1と2の間の場合に逆問題、制御理論を確立すること。本研究により基礎理論の構築が終了しており、効率的に研究を進展できることが想定できる。 2.非線形非整数階偏微分方程式の時間大域解の存在や非存在(特に存在時間の評価など)に取り組む。
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Research Products
(5 results)