2021 Fiscal Year Annual Research Report
Room Temperature CO Sensing Based on 2D Transition Metal Dichalcogenides
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20F20343
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
齋藤 紀子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (20354417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM JAEHUN 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | ガスセンサ / カルコゲナイド |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のIoTの進展に伴い、ガスセンサの携帯型スマートデバイス化が期待されており、小型化と低消費電力化が課題である。一酸化炭素(CO)センサは、有毒ガス警報器の他、呼気分析による呼吸器疾患の診断にも期待されており、微量(ppbレベル)のセンシングが求められている。本研究は、室温作動微量COガスセンサの開発を目的とする。低温でのガスに対する吸着エネルギーが小さく、伝導帯の導電性電荷の変化が大きい、室温で高感度ガスセンサに応用できる可能性が高い材料として、2次元(シート型)カルコゲナイドを対象とする。センサ感度向上には、コアシェル技術とイオン注入による表面機能化を応用する。小型化・低消費電力化には、ヒータレスのセンサデバイス化のために、シート間接合による自己発熱を利用する。実用開発の他、表面・界面とガス種との化学結合の評価により、センサ駆動原理の解明、欠陥化学、半導体表面・界面の理解を目指す。 WS2 ナノシート(NS)ベースのガスセンサーの室温(RT)での自己加熱モードでのセンシング特性を向上させるために、新しい三元構造を設計した。WS2 NSにSnO2ナノワイヤーを添加し、得られた複合体の表面に紫外線照射によりAuナノ粒子(NP)を堆積させると、ガスセンサーの深部へのガス種の拡散と吸着が効果的に促進されることが確認された。また、イオン注入による表面活性化・機能化が効果的であった。さらに、Auの化学増感(酸素イオン吸着量の増加、スピルオーバー効果、COに対する触媒効果)により、COガスに対する応答が向上した。自己発熱モードによるガスセンシング試験により、低電圧・低消費電力の CO ガスセンサの実現可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WS2を用いたガスセンサのガス選択性向上のため、ナノ粒子付与およびイオン注入による表面活性化・機能化を行った。表面原子間の結合力の最大化・最適化よるセンサ素子の機能化を目的とした。ナノ粒子付与は光還元法により照射時間や照射強度を変えて析出を制御した。イオン注入では、Ru3+, Sb5+を注入した。 材料中の欠陥は、電気抵抗の強力な変調源として作用し、センサ感度を向上できる。イオン注入量に応じて、材料内で発生する電子や正孔の量を制御し、ガスセンサ特性の変化を調べた。
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Strategy for Future Research Activity |
WS2を用いたセンサのガス選択性向上のため、ALDを用いたコアシェル技術による表面活性化・機能化を調べる。 また、センシング機構を理解するため、センサ感度とガス選択性向上の指針を構築することを目指す。特にイオン注入された二次元カルコゲナイド材料については、複雑な構造変化が生じるが、イオン注入時の構造変化を調べ、歪みや欠陥の発生とセンサー特性との関係の理解を目指す。
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Research Products
(4 results)