2022 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリモザイクウイルスの2bによる宿主抵抗性のエピジェネティクス制御の研究
Project/Area Number |
20F20389
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 税 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60281854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM HANGIL 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / cucumber mosaic virus / 2b / WRKY70 |
Outline of Annual Research Achievements |
キュウリモザイクウイルス(CMV)感染Arabidopsisで誘導される抵抗反応について、WRKY70遺伝子に注目し、2年間研究してきた。CMVの2bタンパク質が、WRKY70遺伝子の発現変動に関わることをつきとめ、2b遺伝子を組み込んだ形質転換Arabidopsisを作出した。2b遺伝子の発現程度の異なる組換体を3系統選抜して、表現系を観察したところ、非形質転換体に比較して、花を早く咲かせるものと逆に遅く咲かせるものが得られた。これらの系統で、RNA-seq(transcriptome解析)によって発現変動が観察されたものにWRKY70があり、この遺伝子に着目した。WRKY70の発現パターンを系統間で比較解析したところ、2bの発現パターンとWRKY70の発現パターンにリンクが見いだされた。この結果からWRKY70はウイルス抵抗性に関与するのみならず、花の形成にも役割を担っているものと思われる。このWRKY70の発現変動がDNAのメチル化によって制御されているのか調査するために、WGBS法によりWRKY70遺伝子とその周辺のDNAを解析した。その結果、WRKY70遺伝子にはメチル化が集積は観察されず、この遺伝子の発現制御は別のメカニズムによるものと判断した。さらに2bの形質転換体に注目して、ゲノム全体のDNAのメチル化パターンを非形質転換体と比較してみたところ、花茎が抽たいする前には全ゲノムで特にCHHのメチル化が増加することを見いだした。また、花茎の抽たいが起きてしまうと速やかにゲノムDNAのメチル化も低下していくことが観察された。この現象については、Arabidopsisの花形成とゲノムDNAのhypermethylationのリンクについて、報告がある。これらの結果から、CMVの2bがArabidopsisのゲノムDNAのメチル化を促進させる能力があることが判明した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)