2022 Fiscal Year Annual Research Report
植物RNAウイルスの感染個体内におけるゲノム多様化と病徴発現の分子機構
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20F20392
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小松 健 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60451837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAMIM ISLAM 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | potexvirus / necrosis / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
ユリに甚大な被害を及ぼす壊そ病の病原ウイルスであるオオバコモザイクウイルス(PlAMV)を自然生態系中の多様な野草から見出し、その全塩基配列を決定した。系統解析および集団遺伝学的解析により、PlAMVは大きく5つのクレードに分かれること、鑑賞ユリの分離株は一つのクレードにまとまり、他のクレードと明確な分化が認められることがわかった。各クレードの分離株のモデル植物およびオオバコ、ユリへの接種試験を行ったところ、植物への感染性はクレードごとに異なり、5つのクレードの分離株は生物学的な性状についても異なることが明らかになった。一方、鑑賞ユリに全身感染し壊疽を引き起こす分離株は得られなかった。このことは、鑑賞ユリでは感染植物内でのゲノム多様性が感染性に重要である可能性を考え、次世代ロングリードシーケンサーを用いたアンプリコンシーケンスで、PlAMVのゲノムで最も多様性が大きいリンカー領域についてウイルス配列の多様性を調べた。その結果、感染植物におけるPlAMVのリンカー領域の配列はいくつかのハプロタイプに分かれており、多様な集団を形成していることが示唆された。 さらに、PlAMVの鑑賞ユリでの壊そのように、ウイルスが感染植物で引き起こす壊そ症状の原因について調べるため、ゲノム配列が解析され一過的発現系などが簡便に行えるタバコ属のNicotiana benthamianaを用いて解析を行なった。既に壊そ症状を誘導しうるウイルス因子として同定しているPlAMVの複製酵素のHELドメインを一過的発現させてRNAseqによる遺伝子発現解析を行なったところ、小胞体ストレス関連遺伝子が壊そ誘導時に高発現していることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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