2020 Fiscal Year Annual Research Report
アレロケミカルの土壌微生物による生物的変換作用と植物毒性への影響
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20F20398
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
APPIAH KWAME 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | アレロパシー / ローズマリー / 微生物叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)の主要なアレロケミカルであるカルノシン酸について、土壌微生物による代謝とその代謝産物の活性を解析し、アレロケミカルによる植物-植物、植物-微生物相互作用の構築原理解明を目的としている。本年度の研究実績は以下の通りである。
1. ローズマリーの根圏における微生物叢解析・・・ローズマリー根圏の土壌サンプル(深さ0-15cm)を採取し、全DNAを土壌サンプルから抽出した。細菌叢解析、糸状菌叢解析のために16S rRNA遺伝子、ITS1領域をPCRで増幅し、アンプリコンシーケンスを行った。現在、シーケンス結果を待っている状況である。
2. カルノシン酸分解微生物の濃縮、分離、および同定・・・土壌サンプル(ローズマリー根圏土壌およびカルノシン酸処理土壌)を滅菌水で希釈して、カルノシン酸を唯一の炭素源とするポテトデキストロース寒天(PDA)に塗布することで、カルノシン酸分解微生物を単離した。現在カルノシン酸PDA培地を用いて純化を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ローズマリー根圏土壌の採取、DNA抽出、16S rRNA遺伝子、ITS1領域のPCR増幅等は予定通りに進展した。 また、カルノシン酸を唯一の炭素源とする培地に微生物が生育してきており、この中にはカルノシン酸分解微生物も含まれていると予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ローズマリーの根圏における微生物叢解析・・・現在ローズマリー根圏土壌サンプルの細菌叢解析、糸状菌叢解析のシーケンス結果を待っている状況である。結果が得られ次第、多様性解析や機能的分類などの情報学的解析を行う。
2. カルノシン酸分解微生物の濃縮、分離、および同定・・・現在、カルノシン酸分解微生物候補について、カルノシン酸PDA培地を用いて純化を行なっている。純化できたものについて順次、カルノシン酸分解活性を測定し、活性を有するものについては16S/18S rDNA、ITS配列等のシーケンスにより種を同定する。
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