2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of glutathione transport-dependent regulation of NLRP3 inflammasome
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20F20408
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 智裕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30284756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG TIANLI 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | NLRP3インフラマソーム / グルタチオン / レドックス / 自然炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフラマソームは、感染や組織損傷、環境異物への暴露などにより活性化されるタンパク質複合体で、インターロイキン(IL)-1βやIL-18などの炎症性サイトカイン生成をもたらす重要な自然炎症応答を担っている。我々は内因性のインフラマソーム活性化因子であるアデノシン3リン酸(ATP)による刺激が、抗酸化ペプチドであるグルタチオン(GSH)の細胞外への放出を促進し、それによって、これまでに報告されたカリウム放出とは異なる新規な経路でインフラマソームの活性化に関わることを示すことを見出した。本研究ではGSH放出を介したインフラマソーム活性化の機序とその生理・病態生理の意義の解明を目指す。本年度は、インフラマソーム活性化プロセスにおいて、細胞内のアミノ酸組成がどのように変化するのか、またその変化がインフラマソームの活性化にどのように関わるかを解析した。まずはじめにアミノ酸量を一斉に定量できる解析系を既報にしたがい立ち上げた。それを用いてATP刺激後の細胞内アミノ酸量を測定したところ、グルタチオンの組成アミノ酸であるグルタミン酸、システイン、グリシンのすべてのアミノ酸量が非刺激とくらべて顕著に減少していた。さらにそれ以外にも多くのアミノ酸が減少していた。一方、アルギニンとリジンは逆にATP刺激で細胞内量が増加していた。ATP刺激時にアミノ酸を培地に添加すると、チロシン、トリプトファンの添加によりNLRP3インフラマソームの活性化が抑制された。現在、このアミノ酸添加による影響とグルタチオン含量の関係についてさらに検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は新たに細胞内アミノ酸量の定量系を立ち上げ、それによってアミノ酸バランスの詳細な解析ができるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
グルタチオン輸送に関わる分子を同定する。具体的にはATP刺激により変動するタンパク質をプロテオミクスにより解析する。
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