2020 Fiscal Year Annual Research Report
PEG修飾エクソソームを用いた脾臓辺縁体B細胞標的型コロナウイルスワクチンの開発
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20F20411
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EMAM SHERIF 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | ワクチン / COVID-19 / コロナワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、COVID-19に対する独自の免疫技術を用いたワクチンを開発することを目的とする。本提案は、PEG修飾リポソーム投与によって脾臓辺縁帯のB細胞(MZ-B細胞)が感作され、数日後に投与したPEG修飾リポソームを捕捉し、速やかに胚中心の樹状細胞に運ぶようになる、という研究代表者らによる極めてユニークな発見に基づいている。COVID-19のワクチンは、単に体液性免疫を誘導するだけでは不十分で、細胞性免疫も同時に誘導することが必要とされている。我々のシステムは、上述の通り細胞性免疫も同時に誘導することができることが期待される。 当該研究期間において、まず抗原含有PEG修飾エクソソームの調製を行った。ヒトがん細胞にモデル抗原として、ルシフェラーゼあるいはgreen fluorescent protein (GFP)をコードしたplasmidをトランスフェクションし、細胞が分泌するエクソソームを超遠心で回収した。分析の結果、回収したエクソソームには、トランスフェクションしたタンパク質が含まれており、抗原として用いることができる可能性が示唆された。さらに、生体内安定性を高めるために、PEG修飾を行った。PEG修飾することにより、回収したエクソソームの血中滞留性が向上され、脾臓に十分送達されることが確認された。調製したPEG修飾エクソソームを抗原として静脈内投与し、投与7日、10日、14日に血清を採取して、血清中の抗ルシフェラーゼ抗体、あるいは抗GFP抗体を評価したところ、14日目の血清に抗体が誘導されていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の開始が令和2年度後期である。研究期間は短いが、当初計画通り研究が進展し、当初の仮説を確認することができていることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り進展しており、令和3年度においても計画に基づいて誠実に研究を進める。
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