2020 Fiscal Year Annual Research Report
様々な臓器に発生する神経内分泌腫瘍の全容解明~PHLDA3の機能解析を通じて~
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20F20414
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
大木 理恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 独立ユニット長 (70356252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN YU 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | 神経内分泌腫瘍 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経内分泌腫瘍(NET)の罹患率が世界中で上昇しており、対応は急務である。NET研究において、(1)全ゲノム塩基配列が解読され、いくつかのがん関連遺伝子の変異が起きていることが明らかになったが、詳細な発生機序は未だに不明である、(2)ヒトNETと類似する早期に高悪性度NETが発症する動物モデルが存在しない、(3)いくつかのNETの治療薬が臨床で用いられているが、最も有効な治療薬を選択するための診断マーカーがない、などの重大な問題点が残されている。NET研究の現状や問題点に応じ、本研究では以下の2つを研究を進める。計画①: 早期に高悪性度NETが発症するモデルマウスの作製と解析、計画②: 様々な組織由来のヒト由来のNET症例の解析。 本研究を進める事で、様々な臓器に発症するNETの本態を解明し、新規のNET診断法の確立、新規治療薬の開発・既存のNET治療薬の適用拡大につながる成果を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 膵NETマウスモデルの作製と解析:本研究では、ヒト膵NETのゲノム異常を模倣したPHLDA3とMEN1遺伝子を同時に欠損したモデルマウスを作製する。作製したマウスを用い、3つの計画を進める。 計画1. PHLDA3・MEN1二重欠損マウスが膵NETを発症するかの解析、計画2. PHLDA3・MEN1二重欠損マウスで観察された膵NETの発症時期及び悪性度の解明、計画3. 二重欠損マウスを用いてPHLDA3機能喪失が膵NET治療薬選択のための診断マーカーとなるか検証。 2. 下垂体NET発生機序の解明:下記3つの計画を取り込む。 計画1. ヒト下垂体NET症例の遺伝子解析、計画2. 下垂体NETを発症するPHLDA3欠損マウスの解析、計画3. 下垂体NETの発症メカニズムを解明した上で、膵NETの発症メカニズムとの共通点を検討。
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