2020 Fiscal Year Annual Research Report
Barite in plate subduction margins: Timing and origin of hot fluid
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20F20773
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 由弦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10435753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSANG MAN YIN 神戸大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | ESR年代測定 / バライト / 南海沈み込み帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究のゴールは、国際深海科学掘削計画(IODP)第370次航海で見いだされた高温流体の直接証拠であるバライトの晶出時期と起源を知ることである。 来日後隔離期間を経て、12月中順から研究活動を本格的に稼働させた。そして、ESR年代測定に向けて、バライト信号の温度安定性の評価実験を完了させた。その結果、試料が得られた南海沈み込み帯の現在の温度である120℃では、バライト信号が十分安定であることを確認できた。こっれにより、年代検討にESR年代測定法を適用できることがわかった。さらに、掘削試料を追加処理し、7つのバライト試料を精製した。2021年度にこれらの年代検討を実施できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたバライトのESR信号の温度安定性評価と試料の追加精製を十分に行うことができた。2020年度末に実験室のマシンタイムが確保できたため、2021年度計画分の温度安定性評価実験を行うなど、予定よりもやや進んでいる。これらの達成により、2021年度の研究計画に見通しがついた。 一方で、当初予定よりも試料純度をより高める必要性があることもわかった。しかし、これは全体のスケジュールには影響しない程度と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に入ってすぐに、バライトの温度安定性について実験結果をまとめて、議論の上で論文原稿を投稿したい。これは、120℃以下でバライトのESR信号が安定であることについて、学界の同意を得るためであり、今後の年代測定の基盤となる。 その後、年代検討予定の7試料の純度を確認する。7月には、ESR年代測定を開始させたい。そのために、神戸大学において放射線取扱のRIライセンスを取得する。計測に先駆けた放射線の照射を、高崎にある量子研究所で実施する。 これらの照射とESR年代測定を実施し、2021年度後半にはバライトの年代、ひいては南海沈み込み帯における高温流体流入のタイミングを把握する。
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