2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developing machine learning based bioinformatics to decipher hidden biology of depression symptoms
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20F20809
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬見塚 拓 京都大学, 化学研究所, 教授 (00346107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PETSCHNER PETER 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は、うつ病で、特に、insomnia-hypersomniaと呼ばれる対の症状に着目し、その背景にある生命科学のメカニズムをデータベースと機械学習(すなわちバイオインフォマティクス)により解明することを目的としている。本年度はまず、大規模データとして収集されている臨床コホートデータの調査を行った。具体的には、臨床コホートデータとして定評のある、UKバイオバンクの50万件ほどの個人データに関し、うつ病関連の情報の有無を調査した。同時に、日本における同様のデータベースに関する調査を行ったが、うつ病に関して十分な数を確保できるほどの臨床コホートデータは残念ながら見つからなかった。ただし、個々の患者が服用した薬剤の副作用を示すデータベースを見つけることが出来、今後、このデータベースを研究に役立てることができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度の研究実施計画は、うつ病において、insomia-hypersomiaと呼ばれる症状の対の背景となっている生命科学のメカニズムを、データベースと機械学習手法により解明するために、まず、この症状の対に関連する生命科学の因子(遺伝子や低分子化合物)を既存の複数のデータベースから抽出するための環境を整備することであった。現在、既に、UKバイオバンクを中心とした臨床コホートデータを利用できる環境を整え、また、生命科学の主なデータベースを使用できる環境にある。さらに、副作用を示すデータベースの使用も整えており、計画を十分に達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、本研究課題では、外国人特別研究員が博士課程在学時から研究対象としているうつ病において、insomia-hypersomiaと呼ばれる症状の対の背景となっている生命科学のメカニズムを、データベースと機械学習手法により解明することを目的とする。この目的を達成するために以下の2つのステップを用いる。1)まず、この症状の対に関連する生命科学の因子を既存の複数のデータベースを使うことにより抽出する。ここでの生命科学の因子とは遺伝子や低分子化合物を指す。また、データベースは、UKバイオバンクを中心とした臨床コホートデータとともに、遺伝子ネットワーク、遺伝子発現、低分子化合物情報、代謝等に関するデータベースを指す。2)次に、症状の対が見られる場合に、これら因子間の相互作用を上記複数のデータベースから機械学習手法により抽出し、相互作用をグラフ化することによりメカニズムを視覚的に理解する。 次年度の研究計画では、上記1のステップを達成し、上記2のステップに取り組み、機械学習手法を一旦完成させることを目的とする。さらに、最終年度では、上記2のステップを完成する。
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