2021 Fiscal Year Annual Research Report
二次元及び四次元の共型場理論に付随した頂点作用素代数の構成と分類
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20F40018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40377974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOELLER SVEN 京都大学, 数理解析研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | 頂点作用素代数 / 4D/2D双対性 |
Outline of Annual Research Achievements |
物理学における4次元の超共形場理論(SCFTs)は弦理論やホログラフィック理論において重要な役割を果たす。最近Beem等によって発見された4d/2d双対性は2次元の共形場理論の数学的枠組みであるVOAをSCFTの完全不変量として定め、そのため4次元のSCFTの数学的研究を可能にした。 4次元のSCFTの中でも、N=3,あるいはN=4の超対称性を持つ理論は豊かな構造を持ち、対応するVOAも超対称性を持つとされている。またこれらのVOAの随伴多様体は4次元理論のヒッグ枝は複素鏡映群Gに付随したシンプレクティック多様体W_Gであるとされている。このように、4d/2d双対性によって4次元理論から現れる興味深いVOAが大量に存在するが、これらのVOAについて数学的な理解は殆ど存在しないのが現状である。そこで我々は特に複素鏡映群Gが対称群の場合に、対応するVOAの研究を行った。 具体的には我々は特にGが対称群S_2の場合に注目し、対応するVOA V_GがGorbounov, Malikovand,Schechtmaが導入したP^1上の捻れたカイラルdeRham複体の大域切断に同型になることを示した。さらに、V_Gの自由場表示がこのVOAの層の切断として自然に理解されることを示した。我々は現在この結果を、P^1の代わりにC^2のHilbert 概型を用いることにより, Gを一般の対称群に拡張することを取りかかっている。 我々のこれらの結果により, 4d/2d双対性の数学的理解が大きく進んだと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Gが対称群S_2の場合に注目し、対応するVOA V_GがGorbounov, Malikovand,Schechtmaが導入したP^1上の捻れたカイラルdeRham複体の大域切断に同型になることを示, V_Gの自由場表示がこのVOAの層の切断として自然に理解されることを示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
P^1の代わりにC^2のHilbert 概型を用いることにより, Gを一般の対称群に拡張する.
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Research Products
(4 results)