2021 Fiscal Year Annual Research Report
農業応用に向けた多重モード作動型ナノメカニカルセンサの研究開発
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20F40073
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉川 元起 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70401172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YILDIRIM TANJU 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | 嗅覚センサ / ナノメカニカルセンサ / 動的モード / 共振 / 周波数 / 有限要素解析 / 応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自に開発した膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor, MSS)を用いた嗅覚センサの研究開発を行う。特に、農産物や食品の品質など、農業分野において現場で利用可能な嗅覚センサの実現に向けて、必要となる性能を満たすセンサシステムの研究開発を進める。従来のMSSの研究開発では、MSS素子表面に塗布された感応膜に、ニオイ成分が吸着した際に生じる表面応力を検出する「静的モード」と呼ばれる方式で測定を行っていたが、本研究では、MSS素子を共振させることで、ニオイ成分が吸着した際の重量の変化による共振周波数の変化を読み取る「動的モード」と呼ばれる方式での測定を併用することによって、独立に変化するパラメータからより多次元の情報を抽出し、従来の方式を大幅に超える感度や選択性を実現することを目的とする。2021年度は、昨年度までに構築した測定システムを用いて、各種ガスに対する動的モードの応答特性を検証した。その結果、センサ素子表面に塗布された感応膜の種類や形状によって、動的モードが一定の影響を受けることが明らかになった。この結果を踏まえて、より再現性の高いシグナルが得られるように、感応膜の塗布条件の最適化を行った。こうして最適化されたセンサ素子を用いて、各種農産物サンプルの測定を行ったところ、農産物サンプルの状態を反映した情報が抽出できることが確認された。一方で、農産物サンプルは、測定中にサンプルの状態が変化していくことも確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
測定系の構築が完了し、さらに農産物サンプルの状態を反映したシグナルが得られることが確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々な農産物サンプルの測定を行い、どのようなサンプルの場合に本手法が効果的に利用可能になるか検証を進める。また、これまでに確認された、サンプルの経時変化に対する対策も検討を行う。ここでは、測定中のサンプル状態の保持だけでなく、測定時間の短縮や、経時変化の補正など、多角的な検討を行う。
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