2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying boundary between intelligible and unintelligible Japanese accented English
Project/Area Number |
20F40079
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 眞理子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (00329054)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PEREZ RAMON RUBEN 早稲田大学, 国際教養学術院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
|
Keywords | バイリンガル音声合成 / 日本語訛の英語 / 第二言語音声 / 音声知覚 / 文節音 |
Outline of Annual Research Achievements |
一年目は期間が短かく、またコロナの状況が非常に良くないために、実験を行うことがとても難しかったため、結果はまだ得られていない。2021年4月以降に実験を行えるよう、限られた時間と環境の中、文献を使った研究を主に行い、日本語訛の英語の、特に文節音の特徴の抽出を中心に行った。日本語訛の特徴が顕著に表れる文節音を特定したが、その中で特に、(1)英語母語話者にとって、知覚上誤解を与える文節音、(2)今後実験を計画している(a)スペイン語、(b)チェコ語話者にとって、知覚上問題となると想定される文節音、(3)また第一言語を問わず一般的にどの言語話者にも問題となる確率の高い文節音と韻律上の問題点を抽出した。 (1)-(3)の結果を元に、これらの文節音を含む英語の単語を選定し、それらの文節音に対応する日本語の単語の選定を行った。日本語話者の英語の発音で、一般的に近く認識上問題が多い文節音は、/r, l, z, dz, f, h, v, sh, th (有声・無声), p, t, k, n/(JSPSのシステムで音声記号が認識されないため、一般的なアルファベットの綴りで記載)であることが、様々な文献で一致しているが、実際の日本語訛の発話で言語を問わず一番コミュニケーション上一番問題となるのは母音の調音、特に母音の弱化とtense-laxの母音の区別、子音間への母音の挿入であることがわかった。 これらを元に、2021年度に日英バイリンガル話者を使った日本語と英語の発話の録音を行えるように、準備を進めている。 また、オンラインでデータ収集が行えるよう、スマートフォン用の実験アプリを作成し、現在アプリのテスト中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスのため、外国人研究員の来日が3度変更になり、昨年11月後半にやっと入国でき、その後隔離期間を経て、日本で生活するための諸手続きにも時間がかかり、研究自体に着手できるまで時間がかなりかかってしまった。年度末が近く、学年末・春休みに入ってしまったために、被験者として予定していた学生がほとんどいない状況で、またコロナ禍で人を使ったデータの収集が難しい現状であったため、予定していた被験者を使った実験の殆どを新年度以降に回さざるを得なかった。従って、文献を使った研究を主に行ったが、データの収集は相変わらず難しい状況に変わっておらず、むしろ難しくなっているため、以下の「今後の研究の推進方策」で挙げた対策を考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
被験者を使った実験がとても難しい状況が続いており、また当初予定していた海外での実験も当面はあきらめざるを得ない。しかし、全く何もデータが取れない状況はとても問題なので、今年度はオンラインをつかった実験を計画している。オンラインでの知覚実験は、実験環境のコントロールが基本できないために、結果の精度に問題が出る可能性がある。しかし、被験者数を増やすことで、ある程度の精度を保つ予定である。コロナの状況が良くなれば、対面での知覚実験を行う予定である。 人を使った実験をするには、非常に難しい状況であるが、今後オンラインの実験は増えていくと思われるので、オンラインの知覚実験の結果と、対面の実験結果を比較する良い機会であるととらえている。
|