2021 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and Experimental Modeling of Light-responsive Proteins in the Era of Optogenetics
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20F40081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭一 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90467001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARIN PEREZ MARIA 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2022-03-31
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Keywords | ロドプシン / 量子化学計算 / 分子動力学計算 / 吸収波長制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、オプトジェネティクス(光遺伝学)分野で需要の高い、長波長吸収型の微生物ロドプシンの開発に向け、ロドプシンの吸収波長制御の量子化学計算手法の開発と、長波長吸収化を目指した新規分子モデリングを実施する。さらにデザインされた分子について実験科学的な波長測定を行い、それらの結果をフィードバックし計算精度の向上を図ることを繰り返すことで、完全な吸収波長制御技術の確立と、それによる長波長吸収型ロドプシンの実現を目指す。 今年度は、前年度に構築を行った培養系を用いて、古細菌型ロドプシンの野生型および変異体を発現させ、その吸収波長の測定と理論計算との比較を行った。その結果プロトンポンプ型とセンサー型の二種類のロドプシンの間の、約70ナノメートルの吸収波長の違いが3~4残基程度のレチナール発色団近傍のアミノ酸の違いによって生み出されていることを明らかにした。 またレチナール発色団近傍にある保存性の高いプロリン残基を変異すると、ロドプシンの吸収波長が長波長化するが(Inoue et al., Nat. Commun. 2019)、その度合いがロドプシンごとに異なることを見出した。そのメカニズムについても量子化学計算により、原因がレチナール近傍のアミノ酸の充填率の違いによって、変異後のアミノ酸の側鎖の向きが異なるためであることを明らかにした。これにより、長波長吸収型ロドプシンの作製には、アミノ酸の充填率を精密に制御することが必要であることが明らかとなった。 これらの結果は本研究の主たる目的であるロドプシンの長波長化に新たな知見を与えるものであり、その詳細については既に日本学術振興会などで学会発表を行い、また現在論文を作成中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)