2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20F40098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHU QINGNAN 東京大学, 農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2020-11-13 – 2023-03-31
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Keywords | モリブデン / 輸送体 |
Outline of Annual Research Achievements |
モリブデンは植物の微量必須元素の一つであり、根粒による窒素固定や硝酸代謝に不可欠な元素である。本研究はマメ科を含む植物を材料にモリブデン輸送についての分子生物学的解析を行うことを通じて、その制御の一端や根粒形成における役割を明らかにすることを目的としている。 本年度の研究実績としては、昨年度までの調査で選び出した植物のゲノムから見出したモリブデン輸送に関与する可能性が考えられる遺伝子について、変異株の収集を行い、得られた変異株について変異の確認を行うとともに、得られた変異株の生育やモリブデン含量などの表現型解析を行った。得られた変異株の生育についてはモリブデンの影響は明確には見出されていないが、モリブデンの植物体内の分布については、一部の変異株については野生型株との違いがみられた。この結果は、当該遺伝子産物のモリブデン輸送への関与を示唆しているものと考えている。対象とする植物にはミヤコグサというマメ科の植物も含まれており、当該の変異株では根粒の発達が野生型株とは異なるパターンとなることが明らかになり、根粒の発達とモリブデン輸送との関連が示唆された。対象とした遺伝子の一部については、レポーターを用いた形質転換植物の解析により、発現の組織特異性などについての調査を進めた。また、酵母を用いた機能解析のため対象とする遺伝子のプラスミド構築を行い、輸送活性の検定を進めた。さらに、ミヤコグサの対象遺伝子については、組織内での局在や特定の細胞膜への局在を解析するために、その産物に対する抗体の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としては予定通り研究を進められていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られている生物材料や抗体について、さらに解析を進めていく予定である。
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