2020 Fiscal Year Annual Research Report
Econometric analysis of risk of asset price fluctuations and business cycles using big and high-frequency data
Project/Area Number |
20H00073
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
渡部 敏明 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90254135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 裕浩 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (60251188)
塩路 悦朗 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50301180)
新谷 元嗣 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00252718)
加納 隆 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90456179)
山本 庸平 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80633916)
陣内 了 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (50765617)
生方 雅人 明治学院大学, 経済学部, 教授 (00467507)
森田 裕史 法政大学, 比較経済研究所, 准教授 (70732759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ボラティリティ / マクロ経済 / 高頻度データ / 早期警戒指標 / 金融・財政政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)日次実現ボラティリティと日次リターンを同時にモデル化するRealized GARCHモデルとそれを拡張したモデルのベイズ推定法を開発した。S&P500の日次リターンと日次実現ボラティリティに応用し、ボラティリティの予測ではRealized EGARCHモデル、分布の裾のリスク管理ではRealized HAR-GARCHモデルの精度が高いことを明らかにした。(2)多変量の株価収益率の時系列において、株価収益率がいくつかのグループに分けることができる場合の、分散や相関係数の変動を説明する統計モデルを構築した。さらに高頻度データによって得られる実現分散、実現相関係数を観測方程式に加えることで、モデル・パラメータの推定精度の改善を行った。推定方法としてマルコフ連鎖モンテカルロ法による効率的な推定方法を開発し、米国の株価収益率に応用しポートフォリオのパフォーマンスにおいて優れていることを示した。(3)5分刻みの高頻度データを用いて、為替レートのマクロ経済指標のニュースへの反応を測定した。その結果、リーマンショック後には円ドルレートの日本のニュースに対する反応が弱まっていることがわかった。(4)線形回帰モデルの分散の構造変化について新たな手法を提案し、米国のGDPデータを用いて1980年代半ばから続く大平穏期はリーマンショックを経ても終わっていないことを示した。(5)物価上昇率、不確実性指数、経常収支等の経済変数を説明するための動学的マクロ経済モデルを推計し、将来予測や政策効果評価を行った。(6)マクロ変数の因果性を分析するために一般的な系列相関構造を許容する時系列モデルの理論分析を行った。(7)経済成長理論の要素と、金融市場の摩擦という要素を取り込んだ構造マクロモデルのベイズ推定を行い、金融市場への負のショックが大きな役割を演じたことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が9本の論文(うち、8本は英語論文)として査読付きジャーナルに掲載された。著書も1冊刊行され、当初の計画はほぼ達成された。それ以外の研究成果についても、学会等でのべ12回の報告を行い(うち、11回は国際学会)、そこで得られたコメントに従い、英文査読付きジャーナルへの掲載を目指している。研究成果の報告のために、HSI2020-6th Hitotsubashi Summer Instituteの中でワークショップ“Macro- and Financial Econometrics”を開催し、国際学会EcoSta2020やCFE2020でもセッションを企画した。このことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しているので、今後も予定通り研究を進める。
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